カラッと晴れた、11月最後の金曜日。
新宿に大勢の若者や市民が集まった。
世界中で約760万人が参加した9月のグローバル気候マーチから約2カ月。
12月に行われるCOP25(第25回国連気候変動枠組条約締約国会議)を前に、11月29日に再び世界中でグローバル気候マーチが行われている。
東京では、気候変動の危機を訴え政府に対策を求める若者や市民が、それぞれの思いを描いたプラカードを手に東京都庁周辺をマーチした。この運動は東京だけでなく、日本国内でも岩手から沖縄まで、20以上の都道府県で行われた。
今回の日本でのマーチは主に3つの目標を掲げている。
1) 気候変動を「危機」として認識するよう、行政や市民に広く呼びかける。
2) 気候正義の概念(気候変動の影響が社会的弱者により大きく影響している状況を変えること)を定着させること。
3) 政府や地方自治体に具体的な対策を求める。
東京でのマーチの主催団体Fridays For Future Tokyoは、9月に「気候非常事態宣言」を求める請願書を東京都に提出しており、11月29日13時から審議にかけられた。マーチはそれに合わせ、白昼の12時半にスタートした。
I say 地球!
You say 守ろう!
地球!守ろう!
といった大きな掛け声と共に新宿の都庁周辺をマーチし、請願書を審議中と思われる都議会議事堂前を通った際は「聞こえますかー?」と建物に向かって呼びかけた。
平日の日中にも関わらず、多くの人が参加し、大学生などの若者はもちろん、インターナショナル・スクールに通うという高校生たちや、社会人や高齢者の姿も見られた。「一緒に地球を守ろう」など、参加者の多くは様々な思いをプラカードに託し、中には「石炭火力とめて地球へのおもてなし」「小泉大臣聞こえますか」などと書かれたメッセージも見られた。実際に、主催者は「#小泉大臣聞こえますか?」のハッシュタグを付けた気候変動やマーチについての一斉ツイートを参加者たちに呼びかけた。
主催団体Fridays For Futre Tokyoの設立メンバーの1人である井上寛人さん(大学生)は、小学校の時に絶滅危惧種について勉強したのをきっかけに環境に興味を持ったという。しかし、最近までアクションに移すことはなかったそうだ。
「興味はあったけど、行動を起こす勇気がありませんでした」
しかしその後、環境NGOで働き始め、FridaysForFutureのムーブメントを知り、東京支部の立ち上げから携わった。団体内やマーチで問題意識を共有する沢山の仲間と出会い嬉しいと語る一方、日本での気候変動の関心の低さを懸念する。
「学校では話題にならないし、自分の活動のことも『意識高いね』とか『頑張ってね』と言われます。まだまだ他人事と感じているんだな、と思います」
今回のマーチなどを通じて強い思いを大きな声に出すことで、政府はもちろん、一般の市民の関心も高めていきたいと話した。
【UPDATE 12/3】
都議会での請願の審議は「継続審査」となり、具体的な取り組みに向けた動きはなかった。