パリの街からクラシックカーが消える? 市議会が旧車の締め出しを検討

パリ市議会は深刻な大気汚染の対策として、旧いクルマがパリ市街地へ乗り入れることを禁じる条例の制定を推し進めているからだ。
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クラシックなシトロエンプジョーに乗ってロマンチックなパリの街をドライブしたいと夢見ているなら、その計画は早く実行に移した方がいいかも知れない。というのも、パリ市議会は深刻な大気汚染の対策として、旧いクルマがパリ市街地へ乗り入れることを禁じる条例の制定を推し進めているからだ。

欧州の報道に寄れば、1996年12月31日以前に登録された乗用車や1997年9月30日以前に登録されたトラック、そして2001年9月30日以前に登録された商用車やバスは、早ければこの夏にもパリ中心部から締め出される可能性があるという。しかしこれは、ほんの序の口に過ぎず、パリ市は2020年までに、規制の対象を2011年以前のクルマにまで拡大したいと考えているようだ。

パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏はこの条例案を支持しているという。環境問題や交通安全に対する積極的な改善策で知られる彼女は、昨年5月にも市内の大部分で最高速度を約30km/hに制限する案を提案した

パリでこの規制が実施されれば、仏政府によるディーゼル車への規制と同時期に行われることになる。仏マニュエル・ヴァルス首相が昨年末にディーゼル車への優遇政策は間違いだったと発言したことは国外でも大きく報道されているが、仏政府はこの春より、製造後10年以上を経過したディーゼル車から電気自動車に買い替えた人全員に1万ユーロ(約134万円)の助成金を支払うほか、ディーゼル車に課せられる税金を引き上げる予定もあるという。

パリで古い乗り物に対する規制が提案されるのは、これが初めてではない。2010年にはSUVや古いディーゼル車の禁止が提案されたし、2012年には前パリ市長が、1997年より前に製造されたクルマの市街地への乗り入れを禁止する条例を提案している。大気汚染の対策に躍起になっている同市なだけに、今回は規制が実施される可能性もある。今後の動きに注目したい。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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