韓国・朴槿恵大統領の「陰の実力者」と呼ばれる崔順実(チェ・スンシル)容疑者の娘が、名門大学・梨花女子大の入試で不当に優遇されていたことが明らかになった。
韓国教育省は11月18日、監査の結果、こうした事実が確認されたとして、梨花女子大にチョン・ユラ氏の入学取り消しを要求する一方、梨花女子大の定員削減も検討している。
チョン・ユラ氏は入学後も、欠席したのに根拠なしに出席扱いとされたり、試験を受けなかったり、課題を提出しなかったのに単位を与えられていたりしたことが明らかになった。
教育省は18日、記者会見を開き、特別監査の結果を発表した。梨花女子大がスポーツ推薦入試と入学後の学生管理で、チョン・ユラ氏に不当な厚遇を与えていたことが確認された。
入試では、チョン・ユラ氏が仁川アジア大会の馬術団体競技で金メダルを獲得した時点(2014年9月20日)が、梨花女子大のスポーツ推薦入試の願書締め切り(2014年9月15日)後だったのに、梨花女子大はこの実績を面接評価に反映した。入試規則に反して金メダルの面接会場持ち込みを許可するなど「特例」も認めていた。
また、書類選考で高い点数を得た別の学生に、面接で低い点数を与えるなど、結果的にチョン・ユラ氏が合格できるように面接官の評価を調整した事実も確認された。
入学後も、1年生だった2015年の1学期から2016年夏学期まで、8科目の講義で1回も出席せず、出席扱いにできる根拠がなかったにも関わらず出席を認められ、試験を受けず、課題を提出しなくても単位を得ていた。
梨花女子大は韓国屈指の名門大学として知られる。2009年2月にはヒラリー・クリントン国務長官(当時)が来訪し講演した。
教育省は、この監査結果をもとに、関連法令と学則に基づいてチョン・ユラ氏の入学を取り消すよう梨花女子大に要求することを決めた。
また、当時の入試責任者ら、公正であるべき入試選考を歪めて厚遇した関係者と、不当に単位を与えた担当科目の教授を懲戒処分するよう、学校側に要求するという。梨花女子大にも不正入試への制裁措置として、政府からの財政支援減額を検討する。
国際新聞によると、記者会見の後、イ・ジュンシク教育相は、梨花女子大の新入生定員10%削減について「今後、梨花女子大の行動を見て命令に応じない場合は、次の段階の措置として募集停止や定員を削減できるようにする」と明らかにした。
チョン・ユラ氏のスポーツ推薦入試と単位認定を優遇した教授を、業務妨害容疑で告発する一方、崔順実容疑者とチョン・ユラ母子と梨花女子大学の前総長についても捜査を依頼する計画だという。
ハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳しました。
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