絶海の孤島「クリスマス島」で隔離へ。武漢などから退避させた自国民を14日間検疫するとオーストラリア政府

新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受けて「孤立して(感染の)被害を受けやすいオーストラリア人」への帰国支援をすることを決めた。
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オーストラリア本土から1500キロ離れたインド洋の孤島「クリスマス島」
KiltedArab via Getty Images

中国の武漢市で新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受けて、オーストラリア政府は武漢市を含む湖北省に滞在するオーストラリア人の一部を避難させる計画を明らかにした。検疫のために、オーストラリア本土から1500キロ離れた自国領の孤島「クリスマス島」で、ウイルスの潜伏期間とみられる14日間にわたって隔離するという。

現地紙シドニー・モーニング・ヘラルドは、オーストラリアのモリソン首相は1月29日の記者会見で「私たちは今朝、武漢市と湖北省に滞在する、孤立して(感染の)被害を受けやすいオーストラリア人」への帰国支援をすることを明らかにしたと報じた。「中国政府の権限と承認の下で行われることを前提に行われる」という。

現地の公共放送SBSによると、感染しやすい幼児や高齢者が対象になる見込みだ。

湖北省で住民登録されているオーストラリア人は600人にのぼるが、そのうち何人が支援の対象になるかはオーストラリア政府は明かしていない。

■クリスマス島とは?

インド洋に浮かぶクリスマス島は絶海の孤島として知られている。

HISのブログによるとオーストラリアから約1500キロ離れており、むしろインドネシアのジャワ島からの方が約360キロと近い。リン鉱石の採掘で栄えた過去があり、1年に1度、大量の赤いカニが産卵のために移動することで有名だ。

朝日新聞デジタルによると移民収容施設が島内にあり、オーストラリア国内で議論を呼んでいるというう。

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クリスマス島の位置
Encyclopaedia Britannica via Getty Images