安倍政権は成長戦略の柱の一つに女性の活用を挙げる。ハフィントンポストではこれまで、「待機児童ゼロ」や「育休3年」「育休取得率」「長時間労働の抑制」など少子化を巡る問題について紹介してきた。記事に寄せられたコメントとともに、課題や対策を振り返る。
■待機児童ゼロ
「『待機児童ゼロ』が招く詰め込み保育の危険 ―「子育てしやすい国」の条件(2)」や「待機児童ゼロの横浜方式は「方法論」ではなく「決断力」」へは待機児童問題を巡る課題や現状について様々な意見が寄せられた。
・Hiro Bomdiaさん
横浜のような都会で短期間のうちに大きなスペースを確保するのは不可能です。まずは「待機児童ゼロ」を目指して、その上で徐々にスペースを広げるべく方法を探っていくのが現実的な解決策だと思われます。「ゼロ」は通過点であり、ゴールではないということですね。
・akires666さん
ところで保育園の費用は誰が拠出するのか?
この解決策をおざなりにして待機児童の問題は解決できません。
決して上がることが無い賃金と、拠出割合が増え続ける一方の労働者からの社会拠出費用。この二つに手をつけずに有料保育園の話しを進めて、何もなりません。
特に地方ほど、この問題はより切実になるでしょう。
■育休3年・育児休暇取得率
「育休取得率、男女ともに減少 育休3年なんて無謀?」や森雅子少子化対策担当大臣へのインタビューには次のような意見があがった。
・maningwayさん
育休所得で問題となっているのは、非正規社員やパートなどへの育休支援です。
全体の4%ほどしか利用ができていない状況です。
非正規、及びパートにおける育休もしくは、育児支援ということが、この育児負担を減らす効果が最も高いわけです。
・yamagooさん
男女ともに気兼ねなく育休を取得し、かつスムーズに職場復帰できる環境整備と、周囲の人間も「お互い様だよね」という気持ちで温かく支援するようなることが必要だと思います。
ただ、様々な制度改革や政策の本来の目的は、男女共に子供ができても働き続け、仕事を通しての自己実現と育児・家庭を両立できる国にすることですよね。
■育児休業給付金引き上げ
「育児休業給付金、賃金の6割へ引き上げを検討」には「前向きな施策」「少しでも増えることはいいこと」などの意見がある一方、「給付より他の施策にお金を使ったほうがよい」など賛否が分かれた。
多くの子育て世代が困っていることは、給付金が数万円足りないことではない。むしろ出産を機に女性が仕事を辞めざるを得ないことだ。
家庭に配る給付金を増やすより、子持ちの女性を雇用し続ける企業を税制上優遇するほうがよいのではないか。
・SATOOGAWAさん
給付金よりも他の施策にお金を使ったほうがよいと思います。
例えば、施策としてはざっと思いつくだけも下記のようなものが考えられます。
1.公立の保育施設・幼稚園の設立
2.高校・大学の学費補助の制度の拡充(理想は大学まで無料)
3.企業(一定の規模以上でよい)に対して保育設備の設置の義務化
4.育休・有給取得の義務化
5.小児科医への補助をつける、医療過疎地域への医師派遣制度
6.子どもが遊んだりできる公園や遊技場の設置
7.学童への防犯対策 ・・・その他
・komotimikanさん
少子化の原因が経済的理由という意見には賛成ですが、躊躇している方々は成人独立までの費用を見ていると推測します。小さい頃ばかり充実させても効果薄ではないでしょうか。
■長時間労働の抑制
子育て世代の30代男性の長時間労働が少子化の要因だと指摘した「少子化社会対策白書」についての記事。寄せられたコメントをまとまた「少子化白書に異論続出」でも活発な議論がされた。
・maizumiさん
パパの労働時間を減らす動きは、少子化対策として的をえていないと思います。むしろ、労働時間を減らすことによって収入が減るとしたら、より少子化を加速するのではないかと危惧します。
・Magorilさん
少子化の原因の一つとしては、専業主婦(夫)がいる家庭では金銭面、共働きの家庭では家事育児の時間であると思います。
なので、前者は稼ぎ役にはより仕事に専業してもらうべきかと。
後者については保育施設等の充実を行政に期待します。
また、海外と比べられていますが、海外ではベビーシッターの存在も大きいと思います。
・ohtasannさん
長時間労働も問題ですが、子育てをしている真っ最中の者から言わしていただければ、
教育にお金がかかりすぎです。
一人でさえ育てるのにやりくりにアップアップです。
これが複数人になったら、と考えると、親の財産をあてにできる人は別ですが、そういうあてのない私のような者にとっては、一人を育てることさえ、本当に大変です。
・babyblue0806さん
男性の長時間労働は確かに少子化の原因の一旦だと思いますよ。
現状、日本の「男性の長時間労働」はサービス残業の蔓延により「長時間働いても、賃金は変わらない不思議な労働」のことです。
いくら働いても収入が増えるわけではない。
子供を産み、育てていくにはそれ相応の費用が必要です。
また、子供に接する時間も必要です。端的に言えばその2つが最も重要。
「収入」と「余暇」がないこと。それが少子化の原因です。
・yosomibitoさん
ぶっちゃけ、本気で少子化を何とかしたいと思っているなら、なりふり構わず子育てしやすい環境にしないとダメです。旧来の家族像なんかを押しつけようとしているなら、少子化対策は諦めた方がいい。
婚外子の権利を認める、同性カップルによる養子を認める、地域社会での子育てを支援する、教育費無償化を進める、新生児の国籍取得や帰化基準を見直す等々、あらゆる制度を見直したあとで、働き方の提言をすべきでしょう。
■企業による子育て、就業支援
「事業所内保育施設の助成を大幅に要件緩和、利用者1人でも助成へ=厚生省」や「くるみんマーク取得の企業が育児中の主婦を年間100人限定正社員として採用する新制度を発表」や「イクメン企業アワード効果ある?」には、次のようなコメントが寄せられた。
・masashi-sanoさん
待機児童解消の為には、法律で許される範囲内で、保育園などを設立できるように規制緩和を行い、多くの企業などがこの事業に参入できることが、解決策になる。企業などの参入は企業内保育園などを作ることができ、女性の社会進出の一助になり、企業の社会的責任を果たすことも考えられ、企業の近くの待機児童の受け入れなどがその役目になる。
■女性の就業率
安倍政権では22~44歳の女性就業率を2020年に73%(12年比5ポイント増)を目標に掲げる。
OECDの調査に関する記事では日本の女性就業率がOECD加盟国中24位だったという調査結果を紹介している。日本では約6割の女性が第1子出産後に退職することやパートや派遣など非正規雇用で働く女性が就業率上昇の背景にあることが指摘されている。
・Rukahiさん
日本の女性就労者の問題は、本文にもある通り、非正規雇用者の構成比が高いこと、そして彼らの給与レベルが同じ仕事に従事する正規雇用者と比較して、著しく(不当に)低いことである。安倍政権が待ったなしで速やかに取り組むべきは、この格差解消である。
・Shoma Oguraさん
企業側の問題は出産後に女性が社会復帰するにも日本の企業が正規での雇用に対して消極的であることや、子育てしながら正規で働くには肩身が狭くなるような雰囲気の職場が多いことが挙げられます。
・yamagooさん
女性が結婚・出産を機に選択せざるを得ない環境になっているということは、このように高等教育を受けた女性を国として生かし切れず、国を支える側に回ってもらえていないという視点で、女性の切れ目ない就業・キャリア形成の政策推進を要望します。
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