韓国・朴槿恵大統領の「影の実力者」、秘書官通じ利権に介入か 検察が携帯を押収

大統領の業務に関する内容が含まれるファイルは、1つや2つではなかった。
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Choi Soon-sil, center left, a cult leader's daughter with a decades-long connection to President Park Geun-hye, is surrounded by prosecutor's officers and media upon her arrival at the Seoul Central District Prosecutors' Office in Seoul, South Korea, Monday, Oct. 31, 2016. South Korea is hoping for answers Monday about its biggest scandal in years. At the center is Choi Soon-sil. Media speculation claims that Choi, who has no official ties to the administration, may have had a major role in government affairs by pulling strings from the shadows while exploiting her relationship with Park for money and favors. (AP Photo/Lee Jin-man)
ASSOCIATED PRESS

韓国・朴槿恵大統領の「影の実力者」と言われた知人女性の崔順実(チェ・スンシル)容疑者が、朴大統領の側近を通じ、利権に直接介入していたことを示す直接的な証拠が見つかったと、韓国メディアが一斉に報じた。

検察は10月29日に青瓦台を家宅捜索したとき、朴大統領の「門番3人組」と言われた最側近の1人、チョン・ホソン元付属秘書官(公務員秘密漏洩容疑で逮捕)の個人用・業務用の携帯電話2台を押収した。

東亜日報は11月7日、崔順実容疑者が国務会議(閣議)に直接関与したことを示す通話記録があったと報道した。

検察の特別捜査本部は、崔容疑者が国務会議を含む政策懸案と「ミル文化財団」「Kスポーツ財団」への寄付など、自分の要求を携帯電話でチョン元秘書官に指示した端緒をつかんだ。チョン元秘書官の携帯電話の録音ファイルには、彼が崔容疑者の指示に絶対的に服従していたことを示す内容も発見された。朴大統領の最側近として補佐する付属秘書官を、手足のように動かす「事実上の大統領」だった。(東亜日報、11月7日)

他のメディアも、秘書官の携帯電話について報じている。この携帯電話には、崔順実容疑者の「国政介入」に関する通話のファイルやメモなどが保存されていたという。

検察は、チョン元秘書官が崔容疑者とかなり長期間、密接に交流したものとみて、その背景や、青瓦台の記録、文書、情報などの内容を綿密に調べている。(聯合ニュース、11月6日)

国政の懸案をはじめ、大統領の業務に関する内容が含まれるファイルは、1つや2つではなかった。

JTBCによると、すべて朴大統領の就任後に録音されたものだった。

1回だけではなく、何度も繰り返されていたことがわかりました。

これまで国政の懸案に関する資料が崔容疑者に事前に流出したことは確認されていましたが、崔容疑者の意見が大統領の腹心に直接伝えられていたという物証が出てきたのは今回が初めてです。(JTBC、11月6日)

ところで、チョン元秘書官はなぜ崔容疑者との会話を録音しておいたのだろうか? そして、なぜ家宅捜索前に削除するなどの措置を取らなかったのだろうか?

JTBCは、チョン元秘書官が崔容疑者の言葉を正確にまとめて報告するために録音したものと「推定」されると伝え、チョン元秘書官の家宅捜索が電撃的に行われ、「事前の備え」もできなかったとみられると報じた。

チョン元秘書官にとって、この肉声ファイルの存在はかなり負担になるでしょう。なぜなら、大統領に直接関わる内容の可能性もあるからです。そのため、あくまでも自分と崔容疑者だけのやりとりだと主張する可能性もありますが、これは説得力に欠ける答えでしょう。検察も真相の把握に積極的に乗り出すとみられます。(JTBC、11月6日)

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