大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョナ)前副社長が、飛行機内で客室乗務員のナッツの出し方に激怒して、飛行機を引き返させたとして、航空保安法違反や暴行、業務妨害など5つの罪に問われていた裁判の控訴審で、ソウル高裁は5月22日、一審の実刑判決を覆し、執行猶予付きの有罪判決(懲役10カ月執行猶予2年)を言い渡した。
趙前副社長は、逮捕から143日ぶりに釈放された。
裁判では、出発していた飛行機を飛び立つ前の滑走路上で引き返させたことが、航空保安法上の「航路変更」の罪に当たるかどうかが焦点になっていた。趙前副社長側は「『航路』とは空路のことで滑走路は該当しない」と主張していたが、一審のソウル西部地裁は「航路」と認め、懲役1年の実刑判決を言い渡し、趙前副社長側が控訴していた。
聯合ニュースによれば、ソウル高裁は「『航路』とは、少なくとも地上での移動ではないと解釈される」として、趙前副社長側の訴えを認めた。また量刑についても「被告人の行為は、同様の法令違反の事例に比べ、比較的軽微だ」として「客観的に評価しなければならない」と結論付けた。
趙前副社長は2014年12月5日、ニューヨーク発ソウル行き大韓航空KE086便の機内で離陸直前、乗務員がファーストクラスでのナッツを提供した際「マニュアルと違う」と激怒。機内サービスの責任者であるチーフパーサーらに暴言を吐き、暴行を働くなどした後、飛行機を引き返させるよう指示、チーフパーサーを降ろしてから離陸させた。
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