国連児童基金(ユニセフ)と国立社会保障・人口問題研究所は12月25日、『先進国における子どもの幸福度―日本との比較 特別編集版』を発表した。日本の子供の幸福度は、総合順位で先進31カ国中6位。オランダが総合1位となった。
■子供の幸福度、分野ごとに順位が異なる日本
子どもに関する教育や住環境、健康面など5つの分野において評価し順位づけしたこのレポート。日本は「教育」と「日常生活上のリスクの低さ」の項目では1位となったが、「健康と安全」では16位、「物質的な豊かさ」は21位と、中位から下位に位置づけられた。
総合順位が上位のほかの国々は、どの分野も順位も高いのに対して、分野ごとに順位が異なるのが日本の特徴だという。
【日本の順位】
・物質的な豊かさ(21位)
・健康と安全(16位)
・教育(1位)
・日常生活上のリスク(1位)
■「物質的な豊かさ」は下位、子供の貧困が深刻化
報告書で、日本の順位が一番低かったのが「物質的な豊かさ」だ。順位が低い理由としては、貧困ラインを下回る子供の割合が高く、世帯所得が低いことなどが挙げられる。
物質的豊かさの順位が低いのは、貧困ラインを下回る子ども(0~17歳)の割合が14・9%と高いことや、下回った子どもたちの所得の平均が、貧困ラインの額の約7割にとどまっていることなどが理由だ。所得は世帯収入などから算出している。
(朝日新聞デジタル「日本の子どもの幸福度は6位 豊かさの一方、深刻な貧困:朝日新聞デジタル」より 2013/12/25 07:46)
■所得にみる「子供の相対的貧困率」は22位
「物質的な豊かさ」は、子どもたちの物質的豊かさに関する評価は、「相対的貧困率」と「物質的剥奪」という2つの要素から行われている。
「相対的貧困率」とは、世帯所得が中央値の50%未満の世帯で暮らす子どもの割合で、相対的な所得の貧困を示す。日本は「子供の相対的貧困率」14.9%で、31か国中22位(下から10番目)となった。
■生活水準にみる「子供の剥奪率」は20位
また「物質的剥奪」は、所得だけでは表されない、実際の生活水準を測る方法として広く使われているもので、ここでは、「子どもの年齢と知識水準に適した本」「修学旅行や学校行事の参加費」「宿題をするのに十分な広さと照明がある静かな場所」などの8品目のうち、2つ以上が欠如している子供たちの割合を指す。
日本の「子供の剥奪率」は、30か国中で20位(下から11番目)だった。
なお総合順位は、北欧が上位を占めた。
【総合順位】
1位 オランダ
2位 ノルウェー
3位 アイスランド
4位 フィンランド
5位 スウェーデン
※「先進国における子どもの幸福度」が発表されました。「教育」などが1位となる一方で、「物質的な豊かさ」は21位となっていることをどう思いますか? あなたの声をお聞かせください。
【子供の関連記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
関連記事