中国で日本人3人がスパイ行為にかかわった疑いで拘束されたことが、明らかになった。2014年に中国で施行された「反スパイ法」に違反した容疑。9月30日、テレ朝ニュースなどが報じた。
拘束されているのは、日本から中国を訪れていた民間人の男性2人と女性1人。このうち男性1人は5月に浙江省の軍事施設周辺で、他の2人はそれより以前に遼寧省で拘束されたとみられる。浙江省で拘束された男性は、今も拘束されているという。
朝日新聞デジタルによると、中国の習近平国家主席は、海外の影響が自らの体制を揺るがすことに極度に神経をとがらせている模様で、2014年11月には、具体的なスパイ行為を定義し、国内の組織や市民を広く動員してスパイ活動を防ぐ「反スパイ法」を制定。スパイ行為の定義の中には「その他のスパイ活動」というあいまいな項目もある。
拘束された3人は、具体的に何をしたのかは明らかになっていない。菅義偉官房長官は30日の記者会見で、拘束された日本人の詳細については、「個別の案件なのでコメントは控えたい」と述べたが、「我が国としては、法人の安否等については海外において全力で取り組んでいるということは、どういう事例についてもしっかり行っている」と説明した。
また、記者からの「日本政府が中国に、スパイ行為に関与する民間の人を送り込んだという事実はあるのか」との質問には「個別の事案についてはコメントを控えたい」としたうえで、「我が国はそうしたことは、絶対にしていないということを、これは全ての国に対して同じことを申し上げておきたい」と強調した。
なお、中国は2010年、河北省内の軍事管理区域に許可なく侵入し、許可を得ずに録画をしたとして、建設会社フジタの日本人社員4人を拘束。うち1人の拘束は19日間に及び、約61万円の保釈金を支払って釈放された。
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