前回の続き。
長男を観察してる限り、テレビ・iPhone・iPadのアプリなどは益より害の方が大きいように思えた、という話。
このあたりは本当にさまざまな諸説が出ていて、新しいテクノロジーなど経年観察を基にした学術論文が出ていないので今子育て真っ最中の親は試行錯誤です。 早くきちんとした研究結果が出てほしいものです。
テレビはよく言われることですが、受動的なメディアなので本人の能動的な働きかけが必要ない、派手な色や効果音を使い小さな子には刺激が強すぎる(味覚と一緒で小さな頃から刺激の強いものを与えていると、普通の味では我慢できなくなる)、商業メディアなのでキャラクター商品やらお菓子やら、物を欲しがるようになる、ジェンダーなどステレオタイプの刷り込みが激しい(6歳の女の子が「やせたい」という言うようになる、など)、あたりでしょうか。
正直、ほとんどメリットが見当たりません。 良質なドキュメンタリーなどもあるので、年齢に応じたDVDでいいと思います(DVDについては後で)。
次にiPhoneやiPadなどの学習アプリ。
これは、将棋とかパズルとかひとつのことをじっくり、そして繰り返しやっているのならいいと思います。 やっぱり人間が相手になって、何度もやるのは限りがあるしバリエーションも少ないので。
でも長男を見ている限り、フリックするだけで画面が変わる即効性や、音が出たりプレゼントが出たりする刺激を楽しんでいるだけです。 即効的に快楽を得ることを繰り返した結果にできることが他の子より1年早く文字が読めたり、足し算ができることだったら、そんなことよりもっと別の、この時期にしかできないことをやってほしいと思います。
『Google幹部の子どもが通う学校』に書きましたが、年齢に応じた成長課題に興味があります。 日経ビジネスオンラインの『高層マンション育ちの子どもが「伸びない」理由』も非常に興味深かったです。
また別のどこかで「どこでも自転車や徒歩の子どもはいつも車に乗っている子より圧倒的に"どこに何があるか"の空間把握能力が優れている」と読みました。 確かにうちは休日はほとんど外(だいたい近所)にいて車がないので長男は驚くほど道を知っているし、「あそこの角の店先が変わった」など観察力も鋭いです。 また移動は大体ストライダーかスクーターなので、人と人との間を通り抜けるのにどのタイミングでどのスピードで行けば安全でぶつからないか、など3歳で把握しています。
こういう身体感覚を身につける方が人生の役に立つ気がするのですが、何となく勘で育てているので、この内容を掘り下げた本があればぜひ読みたい。 知っている方、教えてください。
最後に、例外がひとつだけあります。 それは日本語習得や日本文化に親しむことを目的としたDVD。
『日英バイリンガルへの道 - 1』に書きましたが、私は、完全バイリンガルは両親が日本人で中等教育期に現地校に通い、家では日本語・外では英語、と分かれていたケースしか知りません。 うちみたいなケースは日英バイリンガルを育てるのは、親(=私)のすさまじい努力とコミットメントと根気がいります(なお、私はそこまでのコミットメントがないので「できるとこまで」ですが)。
でも唯一、日本に住んだことがほぼないのに(高校の交換留学1年だけ)、読み書き含めて日本語で仕事できるレベルのハーフの友人がいて、彼女に聞いてみました。 小さい頃からドラエもんなどの日本のアニメを毎日1時間見ていた(見せられていた)そうです。
「アニメでそこまで自然な話し言葉が習得できるの?」と思いますが(アニメ見ても漢字は書けない)、これを参考に、長男が3歳半の時から1日20分だけ、しまじろうのDVDを見ていいことにしました。 たしかに日本語はだいぶ出てくるようになったので効果はあるようです。
テクノロジーとの付き合い方は小学校に入ったらまた変わるんでしょうね。 イギリスでは小学校でICT(Information Communication Technology)の授業(というより上手な使い方)もあるようです。
(2014年3月13日「世界級ライフスタイルのつくり方」より加筆・修正して転載)