【子供の貧困】安倍首相のメッセージに批判殺到 現場で支援する人たちはどう思った?

「日本の貧困はほとんど放置されています」
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子供の貧困対策に寄付を募る政府の「子供の未来応援基金」が、10月でスタートから1年経った。「2億円以上の税金を使って呼びかけているのに、集まった寄付は約2000万円」と国会で批判されたことが話題になったが、11月8日に首相官邸であった「1周年の集い」では、1年で約7億円の寄付が集まったと報告された

基金は、家庭環境に問題を抱える青少年の学習支援や、貧困家庭への食材提供などを支援する86団体に計約3億1500万円(1団体あたり約367万円)を支給するなどの事業に使われている

一方「1周年の集い」で安倍晋三首相が発表したメッセージが、ネットで「まるで他人事」と猛批判を浴びた。

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11月21日に東京・日本外国特派員協会で、日本の「子供の貧困」の実情を訴えるため講演した支援団体のメンバーにも、この質問が飛んだ。

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栗林知絵子さん(左)と青砥恭さん

東京・豊島区を拠点に地域が協力して貧困家庭などに食事を提供する「子ども食堂」を運営するNPO「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」理事長の栗林知絵子さんは「国がもう少し(貧困家庭に)アプローチしないと。不十分だ」としながら、

「地域で子供の貧困という問題を訴えても(実態が)見えにくいので『うちの地域には(貧困に苦しむ子は)いない』と言われてしまう。市民と行政が協働という形で取り組まなければいけない問題だ。まずその一歩として、こういう問題があるんですと安倍さんが言ってくれたことは、まず大きな一歩」

と肯定的に評価した。

これに対し、さいたま市で貧困家庭の子供を対象にした学習支援活動を続けているNPO「さいたまユースサポートネット」代表理事で、全国子どもの貧困・教育支援団体協議会代表幹事の青砥恭さんは、

「安倍さんは一言で言うと子供の貧困問題には関心がないと思います。子供の貧困は票にならないからです。子供の貧困はなぜ大切か。それを我々が解決することは日本社会の30~40年後が決定するからです。現実的で直面した課題しか見えない政治家に、子供が40~50年後にどういう人生を歩むかが見えるとは思いません」

と批判した。

また「日本の貧困はほとんど放置されています。『子どもの貧困対策法』に予算はほとんどついていない。『生活困窮者自立支援法』に基づく学習支援のみが実質的な貧困支援。まだ緒に就いたとは言えない。欧米と比べて非常に遅れている」とも嘆いた。