児童ポルノ改正法成立へ 所持に罰則、漫画などは対象外
罰則がなかった単純所持を違法とすることを柱とした児童ポルノ禁止法改正の修正案が自民、民主、維新、公明、結いの5党でまとまり、今国会で成立する見通しとなった。定義があいまいだと批判があった児童ポルノの範囲をより明確化し、漫画、アニメ、CGも調査研究するとしていた付則を法案から外した。修正案は4日の衆議院法務委員会に提出される。
自民と公明、維新から昨年提出された改正案に、写真と電磁的記録を対象とした児童ポルノの定義の一部が加筆された。「衣服の全部又(また)は一部を着けない児童の姿態であって」と「性欲を興奮させ又は刺激するもの」の間に、「殊更(ことさら)に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部(でんぶ)又は胸部をいう)が露出され又は強調されているものであり、かつ」が入った。定義を厳格にすることで、捜査の対象が拡大される懸念を解消させようとした。
また自公維案の付則には「政府は漫画、アニメーション、CGなど児童ポルノに類するものと児童の権利侵害の関連性について調査研究を推進する」とあったが、今回の修正案では削除された。「ドラえもん」のしずかちゃんの入浴場面までが児童ポルノになりかねないといった批判があり、漫画家や出版界から強い反発があった。
(朝日新聞社提供)
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