都の児童精神医療は「投薬以外が第一」を確認するも...

子どもへの早期介入に名を借りた向精神薬の安易な投与を懸念して、10月23日の平成26年度病院会計本部決算審査で東京都の方針を確認しました。

それは、当時お姐が所属していた総務委員会で6月の第二回定例会に付託された「東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例」議案質疑に伴う調査で「監察医務院における異状死にみられる薬物乱用・依存等の実態に関する調査研究」(平成25年度厚生労働科学研究費補助金分担研究報告書)にめぐり合い、中毒死の中から驚くべき件数(783件!)の医薬品が検出されていることが(詳細過去ブログご参照)明らかになったことから始まりました。

当初は、条例改正に伴い新たに「危険薬物(所謂危険ドラッグ)」対策が加わりまして、どのくらい命を落とす都民がいるのか東京都監察医務院で取り扱った異常死の解剖結果を調べたところ、覚せい剤・危険ドラッグ各9件に対して、医薬品が783件、内、精神神経用剤薬、睡眠導入剤薬、抗てんかん剤が占める割合が多かった点に関心を持ったのです。

9月には監察医務院に実地調査にも行き直接福永龍繁監察医務院長から状況を確認しております。

一方、元祖カーチャン議員として子どもへの向精神薬投与、精神科医療への早期介入の問題につき個別のご相談をいくつか頂戴していたことも重なりまして、

と、数珠つなぎに調査・研究を深めてみえてきたものがあります。

そのひとつめとして、まず私は、子どもへの早期介入に名を借りた向精神薬の安易な投与を懸念して10月23日の平成26年度病院会計本部決算審査で東京都の方針を確認しました。

【子どもの精神医療は投薬以外を最優先を確認】

お姐「児童・思春期精神科の入院及び外来患者、発達障害医療、特にADHDに関して、その症状に対し安易な投薬が行われることを危惧するものですが、都の、子供への向精神薬投与の考え方、ご家族や保護者並びに本人が投薬を拒否した場合についての対応と所見についてお聞かせください。」

サービス推進部長「小児における精神科薬物療法については慎重を期しており、特に就学前の子供に対しては、投薬以外の方法を第一選択とすることはいうまでもなく、投薬が必要な場合にも最小限にとどめております。

なお、投薬に関しては、本人及び親の同意を得ることが必須であり、同意が得られない場合には、投薬以外の方法を選択しております。特にADHDについては、投薬する場合でも就学年齢以降に限り、投与を開始した場合も成長の過程において減薬や中止を試みることを原則としております。」

お姐「減薬と中止ということを試みていくというところで、重ねて、常に子供たちの状況に合わせた処方、あるいは中止、断薬をお願いしたいと思います。

次に、ひきこもり、不登校、問題行動などが小児精神医療と結びついた場合の、都立病院における、地域医療機関のみならず学校や児童相談所との連携、子供の情報共有についてのお取り組み、今後の方向性をお示しください」

経営戦略担当部長「都立病院における小児精神医療につきましては、主に小児総合医療センターが担っておりまして、広汎性発達障害等の疾患に対し、地域の小児科医との連携を図りながら対応しております。

また、福祉保健局から東京都子供の心診療支援拠点病院事業の委託を受け、医療関係者や教員、カウンセラー等を対象に、発達障害、摂食障害等、支援が必要な子供に対する理解を深めるための研修やセミナーを行っております。

今後とも、関係機関との連携を推進するとともに、子供の心の問題について普及啓発活動に取り組んでまいります。」

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投薬以外が第一選択であること、そして、子どもと保護者に投薬に関して拒否することができるということを議事録を残す形で確認をし、言質を残すことができました。これは大きな一歩です。ぜひ、教員や医師等に投薬を迫られた保護者、当事者の子どもたち、お姐の質問のやりとりを大いにご活用し、イヤだったらイヤだと勇気をもって断ってください。

子どもの権利条約第25条 (医療施設等に措置された子どもの定期的審査)では

「締約国は、身体的または精神的な健康のケア、保護または治療のために権限ある機関によって措置されている子どもが、自己になされた治療についておよび自己の措置に関する他のあらゆる状況についての定期的審査を受ける権利を有することを認める。」

とあります。医療的自己決定権の中に、選択権と拒否権があるのですから。

さて、これを受けまして、さらに12月9日第四回定例会一般質問にて、教育委員会の対応を質しました。

動画はこちら→平成27年第4回定例会→12月9日(水曜日)本会議一般質問 → 上田令子)

【学校現場での安易な精神科早期介入へ警鐘】

お姐「先の決算審査で、学齢期の子供の精神医療の早期介入について、投薬以外の治療を最優先にするとの答弁がありました。調布市では、いじめ相談のパンフから都立小児医療総合センターを削除しましたが、教育現場を中心に安易に精神科医療に結びつけるようなことはないか、対応状況とご所見をお示しください。」

教育長「都内公立学校における児童生徒と精神科医療とのかかわりでございますが、学校においては、児童生徒の心身の健康問題に関し、その実情に応じ、適切で丁寧な対応(←お姐注:すぐに精神科というのではなく、子どもと保護者のサポートをするという意味とのこと)をとることが必要でございます。

そのため、都教育委員会は、スクールカウンセラー等多様な外部の人材や、医療機関、児童相談所等と学校との連携体制のモデルを示した資料を作成し、区市町村教育委員会を通じて、各学校へ配布するなどの取り組みを実施してまいりました。

今後とも、各学校において、児童生徒の心身の健康の保持増進が図られるよう、引き続き、適切に支援を行ってまいります。」

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若干玉虫色の回答となっておりますが、東京都教育委員会としては、すぐに病院送りにするということはない「適切な支援」への言質として今後活用していただけると思います。

しかし、さらに調査を進めますと…

東京都立小児医療総合センターの顧問が向精神薬を製造する製薬会社から、講師料・コンサル料等の名目で、少なくとも150万円の金銭を得ていた疑いがあることが判明したのであります。

病院経営本部長によれば「特に就学前の子供に対しては、投薬以外の方法を第一選択とすることはいうまでもなく、投薬が必要な場合にも最小限にとどめております」とのことであるのに、その児童思春期精神医学専門の顧問が、製薬会社から報酬を得ていたということに、私は大きな疑念を抱くに至ったのです。

さらにさらに…お姐の執拗な追求はつづきます。(次回へ続く!)