高層マンションに児童相談所の計画 住民から反対の声「親が子を取り返しに来てトラブルが起こったら...」

大阪市が高層マンションに児童相談所を開設する計画を建てたのに対し、住民から反対の声が出ている。大阪市の担当者はハフポスト日本版に対し、「住民からセキュリティー面で心配などという意見が出ている」と語った。
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大阪市が高層マンションに児童相談所を開設する計画を建てたのに対し、住民から反対の声が出ている。大阪市の担当者はハフポスト日本版に対し、「住民からセキュリティー面で心配などという意見が出ている」と語った。8月25日、毎日新聞などが報じた

■どんな計画?

開設計画があるのは、北区にある39階建てのマンションで、約360世帯が暮らしている。元中学校の跡地に建てられており、市が一部を所有。もともと高齢者向け施設を運営していたが、事業仕分けにより運営停止となり、その後も売却先がみつからなかったため、児童相談所として利用する計画が立てられた。

児童相談所とは、児童の生活に関する指導・相談を行う施設。子育ての相談を行ったり、虐待を受けた子供や万引きなどの非行行為をした子供を一時預かったりする。大阪市は児童虐待に関する相談が増え続けており、2014年度は4554件で、全国の政令指定都市でトップだが、市内の児童相談所は2016年9月現在は1カ所のみで、増設が求められていた。

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市は10月に2件目の児童相談所を開設する予定だが、それでも足りず、2018年度にこのマンションの1〜3階部分を改装し、3件目の開設を目指している。

■市の担当者「反対意見も頂いています」

市の担当者は、ハフポスト日本版に対し、3件目の児童相談所について9月8日と10日に住民説明会を実施したと回答。それぞれ20人程が参加したと述べた。市側は住民の住む区域と児童相談所の施設は入り口が別の場所となっており、住民の住まいに子供が入ることはないと説明するが、「住民からは『同じ建物に施設があることで、セキュリティ面に不安がある』『虐待で保護した子供を、親が取り返しに来るなどのトラブルが起こるのではないか』などの不安の声が上がっている」と市の担当者は話した。

住民説明会では、マンションの住民から反対署名が行われていることが市側に伝えられた。市の担当者は「住民の方からは、たくさんの署名が集まったと聞いたが、まだ署名は提出されていないので、どれくらいの数が集まったかはわからない」と述べた。

この報道についてネットからは、「児童相談所は必要だ」「反対する理由がわからない」などの開設に賛成する声のほか、「分譲で手に入れたマンションに児童相談所あるのは考えもの」「大阪市は住民に丁寧に説明しているのか?」などの指摘が出ている。

大阪市の吉村洋文市長はこのマンションへの児童相談所の開設について、8月25日の定例会見で「(住民に)繰り返し説明をして理解を求めていくしかない。個別の全員の書面同意とか、そういうのは絶対無理。説明を尽くしたと言えるとこまでは、そのマンションの皆さんに、なかなか出席もしてもらえない状況もありますけれども、行政として説明を尽くしていきたいと思ってます」などと話した