馳浩文部科学相は3月5日、千葉県市原市にある約77万年前の地層を視察した。この地層は今後、国際学会によって、ラテン語で“千葉時代”を意味する「チバニアン」と名付けられる可能性があるという。NHKニュースなどが報じた。
■何がスゴイの?
46億年の長い地球の歴史には、恐竜絶滅といった大きな変化がみられたところを境に、「ジュラ紀」や「白亜紀」などの時代区分がされている。これらの区分は地層と化石の研究から名づけられたもので、ジュラ紀はアンモナイトや爬虫類が栄え、大形恐竜や始祖鳥が出現した時代だが、この時代の地層が発達しているフランス〜スイスに広がる「ジュラ山脈」から名付けられた。同様に、白亜紀は、アンモナイト・恐竜などが大繁栄した時代で、イギリスとフランスの間のドーバー海峡地域のチョーク(白亜)を含む地層から命名された。
このような「ジュラ紀」や「白亜紀」などの固有の名称で呼ばれる地層が、特徴的に分布する地域を「模式地」(もしきち)と呼ぶ。今回注目されているのは、模式地として千葉が選ばれるかどうかという点だ。
■「チバニアン」の特徴は?
朝日新聞デジタルによると、注目されているのは、市原市田淵の養老川沿いにある「千葉セクション」と呼ばれる地層。地質学上「更新世」と呼ばれる時代の前期と中期の境目で、地球の磁場のN極とS極が最後に逆転した重要な節目とされる。
地球では、過去に何度も磁場が逆転する現象が起こっているが、逆転は一気に起こるわけではなく、逆転したり戻ったりと不安定な変化を経て安定するとされる。約77万年の磁場逆転の時期も、田淵にはオーロラが頭上から注ぎ、渡り鳥などの飛来はなかったと推定され、地球環境が急変していた。新人類が現れたのも、この時期だという。
■今後の流れは?
「チバニアン」は認められるのか。審査を行うのはユネスコの機関である国際地質科学連合(IUGS)で、認定されれば、模式層断面となる箇所に「ゴールデンスパイク」が表示される。
ライバルとなっているのは、イタリア南部のモンテルバーノ・イオニコと、ビィラ・デ・マルシェ。夏に南アフリカのケープタウンで開かれる万国地質学会議で、選定が行われる予定だ。
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