古くてアナログなチェックリストの持つパワー

チェックリストって、僕らが思っている以上にパワフルなツールなのかもしれない。
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チェックリストって、僕らが思っている以上にパワフルなツールなのかもしれない。

今朝、おなじみのClear氏のブログを読んでいて、はっとした。

記事のなかで紹介されている事例がなんせ劇的である。

集中治療室に入る医師たちに、簡単なチェックリストにチェックを入れてもらうようにしたところ、感染率が66%減少、18か月で7500万ドルの保険医療費の節約と1,500人以上の患者の命を救うことになったという。

いったい、どんなチェックリストだったかというと、それは簡単な5項目からなるもので、「手を石鹸で洗ったか」とか「殺菌したマスク、帽子、ガウン、手袋をすべて装着したか」というようなごく当たり前のことが書かれているだけだったという。

それは2004年、アメリカのミシガンでの事例だ。

さて、僕は医療について何かを知っているわけではないので、この事例が日本の医療現場でどう受け止められたのか、どんな意味をもったのかはしらない。

そういう意味ではなく、チェックリストというものが、たしかにそれほどのパワーを持ちうることがありそうだ、ということに強く感銘を受けた。

そのミシガンの事例では、集中治療室に入る医師は、そうしなければならないと知っていても、どれかの手順を抜かしてしまうことが多く、1か月観察したところ、3人の患者をみるうちにひとつの手順を抜かしてしまうことが多かったという。

たしかに、そうすべきと知ってはいるものの、ときどき忘れてしまうことは多い。

たとえば、僕は昨日の朝、ヒゲを剃るのを忘れた。

今朝、事務所に来たら、湯沸かしポットの電源がついたままになっていた。

そういうことは、結構多い。

とくに、毎日当然のように繰り返すことは、ときどきその手順を抜かしてしまうし、それを複数の人間でやるとなると、漏れの危険はさらに大きくなる。

チェックリストという古くてアナログなツールも、案外、最高にクールなツールなのかもしれない。

さっそく、退出時のチェックリストでもつくろうかな。

*ボイス・チェックリストみたいなものがあったらいいなと思った。

チェックリストなら急いでいる時、読まずにチェックだけしてしまうと、チェックの意味がなくなってしまう。だけど、とにかく最後までそれを聞いて、自分の声で「イエス!」と録音しなければならないようなチェックリストなら、読まずにチェックということができなくなる。

と思って調べてみたら、パイロット用にはVoice Checklistというものはあるようだ。とくにパイロットはチェック漏れが重大事故につながるから、ひとりで飛ぶ時などはそいう機器が役にたつのだろう。個人や一般的な会社で気軽に使えそうなものは、ざっと探したかぎりでは、みつからなかった。

(2015年4月2日「ICHIROYAのブログ」より転載)