襲撃を受けて12人が死亡したフランスの週刊紙「シャルリー・エブド」の1月14日発売号の表紙に、イスラム教ではタブー視されている予言者ムハンマドの風刺画が掲載されていることが明らかになり、波紋が広がっている。
ジャーナリストの国際団体が反対する声明を出したほか、イスラム教の宗教指導者も相次いで非難した。「表現の自由」か「宗教への侮辱」かをめぐって、意見が分かれている。
最新号の表紙は、同紙への連帯の象徴となった「私はシャルリー」の標語をムハンマドに持たせて、「すべては許される」との見出しをつけたものだった。ロイターによると、この風刺画を描いた風刺画家のリュズさんは「みんながこれを読んでくれれば、われわれは(テロに)勝てる」と話した。
■スンニ派の最高権威「憎悪をかき立てる」
時事ドットコムによると、ジャーナリストらの国際団体「プレス・エンブレム・キャンペーン」(本部:ジュネーブ)は発行に先立つ13日、「緊張緩和が求められる時に配慮を欠き、火に油を注ぐ」と批判する声明を出した。
この声明の中で同団体は「過激主義者に屈しないとの主張は理解するが、何でも表現していいわけではない」と指摘。「表現の自由は相互尊重の中で制限される」と訴え、「プロの記者は中傷や侮辱を避けなければならない」と強調した。
また、イスラム界での反発も顕著だ。エジプトのカイロに本部を置くイスラム教スンニ派の最高権威機関「アズハル」も、イスラム教徒の「憎悪をかき立てる」と批判した。トルコの宗教問題を扱う行政機関も「イスラム教への侮辱は、たとえ表現の自由の名の下であっても決して許されない」という見解を示しているという。
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