「クロネコヤマト」の宅急便で知られるヤマト運輸の営業所でチェーンソーを使って従業員を脅したとして、三重県警は1月5日、暴力行為等処罰法違反容疑でトラック運転手・長谷川和輝容疑者(27)を逮捕した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
朝日新聞デジタルによると、長谷川容疑者は2016年12月3日午前5時ごろ、チェーンソーを持ってヤマト運輸の伊賀阿山センターを訪問。「おいさっさと荷物出せや」「配達詐欺しやがってオラ、ボケあほんだらー」などと大声を上げ、男性従業員(53)を脅迫した。警察の調べに対し、容疑を認めているという。
ヤマト運輸の営業所を脅迫した動機として長谷川容疑者は、自分の留守中に「クロネコヤマト」の配達員が自宅を訪れ、代引きの荷物を持ち帰ったことに腹を立ててやったと供述したとNHKニュースは報じている。
ヤマト運輸の広報担当者は、営業所でチェーンソーを回され警察に被害届を提出したことは事実だとハフィントンポストの取材に答えた。トラブルの詳細については、捜査に関わるため回答できないと話している。
■YouTubeに営業所を脅迫する様子や「謝罪会見」をライブ配信
長谷川容疑者は、「長谷川和輝 8003TV」というチャンネル名を用いてYouTube上で動画配信をしていた。チャンネル登録者数は1月6日の時点で9000を超えている。
逮捕直前まで多数の動画を配信しており、ヤマト運輸の営業所を脅迫する様子を収めた動画も投稿していたという。朝日新聞デジタルによると、長谷川容疑者は「全世界配信やぞ」などと叫んでおり、動画には対応にあたった従業員の姿も映されていた。元の動画はすでに削除され、現在は閲覧できない。
YouTubeに投稿された動画の一場面。男がチェーンソーを手にしている
また、逮捕前日の1月5日夕方には、「謝罪会見」と題し、ヤマト運輸関係者らに謝罪する様子を収めた動画をライブ配信した。
放送中に長谷川容疑者は、「ヤマト運輸に関係される方々、Amazon関係者さん、警察関係者さん、YouTube Japanの関係者さん、僕のファンでいてくださるリスナーのみなさん、ならびに多数の方にたくさんのご迷惑をかけてしまう結果となりました」とコメント。「自分でもなんでこんなことしちゃったんだろうと振り返るといろいろ思うところあります」と話している。その後、「ヤマト運輸さんに関係される皆さま、ご迷惑をおかけしました。本当にすみませんでした」と謝罪し、20秒以上にわたり頭を下げた。
過去に配信された動画の中には、走行中のトラックの映像やグルメレポートのような動画の他に、「爆発実験」と題して大量の100円ライターを入れたペール缶に火をつける様子を収めたものなどもあった。