猫のラッセルは、2014年から1年半に渡り、アメリカ・ノースカロライナの動物病院で過ごしている。火事によって顔や体が焼けてしまったからだ。火事によって家族の家は失われ、ラッセルは目や耳の先を失った。
しかし、大怪我にもかかわらずラッセルは回復していった。そして、治療するために動物病院にやってきた新しい仲間たちに、すり寄っていった――。
「彼は、どの動物たちとも仲良くなろうとするんです」。救急の動物病院に勤務するミーガン・マウスさんはいう。「彼はとっても好奇心が強くて愛らしい猫なんです」
Photo: Animal Emergency Hospital and Urgent Care
最近、鹿の赤ちゃん・ダリアが動物病院に運ばれてきた。ダリアは、誰かの家の芝生で発見されたという。母鹿はおそらく死んでおり、ダリアは助けを必要としていた。
こうしてやってきたダリアに、ラッセルは近づいていって挨拶した。
ラッセルは、すぐに新しい友だちと仲良くなってしまうのだ。
ラッセルの鳴き声は、犬たちの心も満たしてくれる。目を怪我したチワワのラスコーとも仲良しになった。
自動車と衝突した、迷子のラブラドール・レトリバーも、ラッセルの温かさによって自分を取り戻したという。
怪我をしたこれらの犬たちは、今は別々の家に暮らしている。治療を受けた子鹿のダリアも、今は自然界に戻るために野生動物のリハビリセンターに移されている。
ラッセルは今、隣にすり寄って励ましてあげられる動物が来るのを待っている。
Photo: Animal Emergency Hospital and Urgent Care
あなたは疑問に思うかもしれない。「こんなに時間があって、友だちと交流していて、ラッセルはいつ家に帰って家族と会ってるの?」と。
誰もこの問いに答えることはできない。20数回の手術や治療を施しても、ラッセルはまだ完全に治癒していないのだ。そして、彼の家もまだ再建されていないという。
しかし、ラッセルは病院で待つことを受け入れている。寛大な寄付によって、ラッセルの治療費はまかなわれており、彼には、十分なおもちゃやベッドがあり、ケアできる環境も整っている。
バレンタインデーの数日後には、Facebookページを通じてラッセルを見守っている、世界中のファンから風船も届けられた。
動物病院のスタッフは、みんなの心を癒す魔法使いのようなラッセルが大好きだ。ラッセルは、包帯を巻き換えているときも、ゴロゴロと喉を鳴らす。そして病院では、診察中の動物を待ちながら、つらい日々を過ごす飼い主たちのそっと寄り添う。
「ラッセルは、知り合ったすべての生きものに、何か特別なことをしてくれます」。マウスは教えてくれた。「ラッセルは、彼らに希望を与えます。彼はとっても我慢強い小さな猫なのです」と。
可愛いラッセルを見守りたい人は、病院のFacebookページを見るといいだろう。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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