「キャロライン・カート」という、子供だけでなく大人も乗せることができるショッピングカートが、アメリカの小売業者の間で人気だ。2016年2月に小売業界5位のターゲットが全米の店舗での導入を発表。ウォールマートやホームデポなども利用し始めている。10月12日、CNBCなどが報じた。
「キャロラインカート」はアラバマ州に住む3児の母、ドリュー・アン・ロングさんが製作した。現在16歳になる娘のキャロラインさんと、一緒に買い物を楽しみたいとの思いから、思いついたのだという。
キャロラインさんは生まれつき、神経疾患「レット症候群」による障害がある。キャロラインさんの体が大きくなるにつれて、スーパーのショッピングカートには乗せられなくなった。
「体が不自由でも電動カートを駆使して買い物ができる人もいる。私も家族のために週に数回買い物に行かなくてはいけないのに、障害児と一緒に買い物をする方法がないなんておかしい」。そう考えたアン・ロングさんは2008年、デザイン設計事務所の協力を得て、大人でも乗せられるショッピングカートをつくったのだった。製品には娘の名をつけた。
ドリュー・アン・ロングさん(右)とキャロラインさん(左)
2015年には、ある女性客が地元のスーパーにキャロラインカートを導入してほしいとお願いした。キャロラインカートが店に置かれるようになると、彼女は91歳の母親とともに、買い物に出かけられるようになったという。「母も買い物が好きですが、自分で歩く力がなくなっていました。このカートのおかげで、母を車の中や家に残しておかなくても良くなりました」と、女性はアン・ロングさんにメッセージを寄せた。