カンヌ映画祭も折り返し地点、現時点でのパルム・ドール有力候補は?

5月17日に開幕した第70回カンヌ国際映画祭も折り返し地点を過ぎ、大賞の有力候補作品が徐々に存在感を発揮しはじめている。
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CANAL - UNIVERSAL PICTURES INTERNATIONAL FRANCE -

5月17日に開幕した第70回カンヌ国際映画祭も折り返し地点を過ぎ、大賞の有力候補作品が徐々に存在感を発揮しはじめている。とりわけ観客の喝采を浴びたのは、コンペティション外部門に選出されたアニエス・ヴァルダ監督と写真家のJR氏によるドキュメンタリー作品『Visages, Villages』だが、評論家サイドでも、コンペティション部門ですでに上映されたもののうちで、心を射抜く作品があったようだ。

フランスの映画専門誌「Le Film Français」は、国内の主要メディアおよび雑誌の15人の評論家による、カンヌ映画祭上映作品の評価を毎年掲載している。評価は「★」「★★」「★★★」の三段階に加えて、熱烈に気に入った作品にはパルム・ドールのシンボルである「黄金のシュロ」を付すことで行われる。また、まったく気に入らなかった作品には「不機嫌マーク」を付けることもできる(ページ下の画像を参照)。

「Le Film Français」での反応を見る限り、映画祭の開幕から6日経過した5月23日現在で、もっとも評価されているのはアデル・エネル主演/ロバン・カンピヨ監督による『120 Battements Par Minute』(英題:120 Beats per Minute)。90年代一世を風靡したHIV/AIDS運動団体「アクトアップ」の活動を扱ったこの作品は、映画評論家から6つの「黄金のシュロ」と5つの「★★★」を獲得した。それほど魅了されなかったと答えたのは「La Croix」「Le Figaro」「Les cahiers du cinéma」「Le Point 」の4紙(誌)だけだった。

2番手につけたのはアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の『Nelyubov』(英題:Loveless)で、3つの「黄金のシュロ」とやはり5つの「★★★」を獲得している。ただ本作品はメディア間でかなり評価が割れており、「黄金のシュロ」と「★★★」以外をつけた他の7つのメディアでは、「★」か「不機嫌マーク」となっている。

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(マークの意味は以下の通り。「★」=少し評価する、「★★」=かなり評価する、「★★★」=激しく評価する、「黄金のシュロ」=熱烈に評価する、「不機嫌マーク」=まったく評価しない)

ハフポスト・フランス版より翻訳・加筆しました。

▼関連スライドショー(カンヌ映画祭2017)

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