膵臓がんと告知されたお母さんの日記(第25話:「入院/腹膜播種/腹水」)

家族と元気に年を越すんだ!

不定期でブログを投稿させていただきます、西口洋平です。妻と小学生のこどもを持つ、一般的な38歳男性です。「ステージ4のがん」であることを除いては。

がんだと宣告されたときに、おぼえた孤独感。仲間がいない。家族のこと、仕事のこと、お金のこと......相談できる相手がいない。同じ境遇の人が周りにいない。ほんとにいなかった。

それなら自分で仲間を募るサービスをつくろうと、ネット上のピア(仲間)サポートサービス「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」を、2016年4月に立ち上げました。

こどももいて、地元には親もいる。仕事やお金...... 心配は尽きません。 そんな僕みたいな働き盛り世代で、がんと闘う人たちをサポートしたい。そんな思いから、抗がん剤による治療、副作用と付き合いながら、仕事と並行して、地道に活動を続けています。

キャンサーペアレンツのFacebookページで活動情報をアップしていきますので、「いいね!」をお願いします。

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西口洋平

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膵臓がんのナオさん。

2015年6月にがん告知を受け、手術や抗がん剤治療を経験。2016年に再発し、抗がん剤、放射線など様々な治療を行うものの、現在は無治療で生活。小学校一年生の息子さんと旦那さんの三人暮らし。

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ナオさんがキャンサーペアレンツに登録したのは、2016年9月。

発信するのは苦手とのことで、キャンサーペアレンツに登録するまではブログや日記などを書いたこともなく。そんなナオさんの日記を、ご本人の了承のもと、これから一つずつご紹介をさせていただきます。

第24話優しい大人に囲まれてコチラから

※キャンサーペアレンツは、子育て世代・就労世代のがん患者のコミュニティであり、様々な社会的な接点の中で生きています。こども、家族、仕事、地域、普段の生活、将来への不安。がん患者への偏見や誤解など、まだまだ「がんと生きる」ということに対する理解が乏しいというのが実態です。キャンサーペアレンツでは、ここに集う方々の意見を『声』として広く世の中に発信し、がんに対する理解を広げ、がんになっても生きていきやすい社会を実現すべく活動を行っています。

■投稿日

2017年12月10日(日)

■タイトル

入院/腹膜播種/腹水

■本文

入院しています。

だんだんと大きくなった腫瘍が十二指腸を塞ぎ、食べ物や、今回は水さえも入らなくなってしまったので、十二指腸を広げるためのステントを入れることになりました。

1週間近く嘔吐が続き、衰弱して歩けなくなってしまい、本当に苦しくて苦しくて、意識が朦朧とし始め、「死」というものがふわっと身近に感じられるようになり、入院した日の夜は、病室の天井を見ながら、これはもう家には帰れないかも...と思いました。

「そっち側」へは簡単に繋がっていそうでした。

ずっとおとなしくしていてくれた癌ちゃんは、ついに耐え切れず腹膜に転移し始めたようで、急激に腹水が溜まり始め、体型がもう難民の子供みたいです。

腹水、辛い。前屈みにしかなれない。

寝返りが打てず、寝ても起きても楽な体勢がありません。

そして『腹水』という言葉に含まれるパンチ力!

自分がもう終末期にあるのだと嫌でも実感させられます。

でも、私の身体に感謝しています。

抗がん剤なしで、半年踏ん張ってくれました。

この期間がなかったらと思うと、恐ろしいです。

その後、様々な処置を経て少しずつ体調が戻り、無事ステントも入れてもらい、内臓の腫れも落ち着き、来週から少しずつ食事を開始して、今はクリスマスまでに家に帰ることを目標にしています。

***

今後は訪問医の先生から、『高カロリー輸液』と『痛み止め』を24時間点滴で入れる方法を提案されていたこともあり、状況や体力を考えれば今後は家で寝たきりかなぁ...と、自分自身、ベッドの上で半ば諦めてしまっていました。

しかし、私の主治医は全然違っていました。

「しっかり治して帰ろうね!薬もまた口から飲むし、ごはんを食べるためにステント入れるんだから輸液もなし」

「24時間点滴なんかしたら出かけにくくなっちゃうよ。焦らず元の状態に戻して帰るのを目標にしよう」

と、相変わらずポジティブ。笑

腹水だ輸液だと、終末期へ勝手に気持ちが引っ張られていった自分を、あっさりと引き戻してくれました。

そうやんね、経過なんて誰にもわかりません。

終末期でも腹水溜まっててもガリガリに痩せていても、あとどれだけ生きられるかなんて、誰にもわかりません。

家族と元気に年を越すんだ!

お雑煮だっておせちだって、自分で作りたい!

せっかく買ったニンテンドースイッチもやるぞ!

まだしばらくは入院生活が続きますが

焦らず、病院で安心して療養させてもらおうと思います。

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(第26話へつづく)

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