膵臓がんと告知されたお母さんの日記(第26話:「キャンサーペアレンツの皆様へ」)

この遺書(?)は、私が死んじゃったとき、キャンサーペアレンツに投稿してねと、夫に頼んで書きおいたものです。

不定期でブログを投稿させていただきます、西口洋平です。妻と小学生のこどもを持つ、一般的な38歳男性です。「ステージ4のがん」であることを除いては。

がんだと宣告されたときに、おぼえた孤独感。仲間がいない。家族のこと、仕事のこと、お金のこと......相談できる相手がいない。同じ境遇の人が周りにいない。ほんとにいなかった。

それなら自分で仲間を募るサービスをつくろうと、ネット上のピア(仲間)サポートサービス「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」を、2016年4月に立ち上げました。

こどももいて、地元には親もいる。仕事やお金...... 心配は尽きません。 そんな僕みたいな働き盛り世代で、がんと闘う人たちをサポートしたい。そんな思いから、抗がん剤による治療、副作用と付き合いながら、仕事と並行して、地道に活動を続けています。

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西口洋平

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膵臓がんのナオさん。

2015年6月にがん告知を受け、手術や抗がん剤治療を経験。2016年に再発し、抗がん剤、放射線など様々な治療を行うものの、現在は無治療で生活。小学校一年生の息子さんと旦那さんの三人暮らし。

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ナオさんがキャンサーペアレンツに登録したのは、2016年9月。

発信するのは苦手とのことで、キャンサーペアレンツに登録するまではブログや日記などを書いたこともなく。そんなナオさんの日記を、ご本人の了承のもと、これから一つずつご紹介をさせていただきます。

※キャンサーペアレンツは、子育て世代・就労世代のがん患者のコミュニティであり、様々な社会的な接点の中で生きています。こども、家族、仕事、地域、普段の生活、将来への不安。がん患者への偏見や誤解など、まだまだ「がんと生きる」ということに対する理解が乏しいというのが実態です。キャンサーペアレンツでは、ここに集う方々の意見を『声』として広く世の中に発信し、がんに対する理解を広げ、がんになっても生きていきやすい社会を実現すべく活動を行っています。

■投稿日

2017年12月16日(土)

■タイトル

キャンサーペアレンツの皆様へ

■本文

キャンサーペアレンツの皆様へ

この遺書(?)は、私が死んじゃったとき、キャンサーペアレンツに投稿してねと、夫に頼んで書きおいたものです。

これを皆様が読まれているということは、私は死んでしまったのですね。

もっと息子の成長が見たかった。

夫と一緒に年をとりたかった。

そんなささやかな夢も叶わない、苦しい人生でした。

でも息子を産まなければよかったとは一度も思いませんでした。

子供を産んだことは、私の人生で一番素敵なことでした。

これから夫と息子には大変な人生が待ち受けています。

けど大変なことだけではなく、楽しいこともたくさんあるはず。

そう信じて、私は旅立つしかありません。

がんになって、よかったことなんかひとつもありませんでした。

病気しらずで、ほどほどに長生きするのがいいに決まってる。

でも、若くしてがんになった人間の中では、私は幸せ者でした。

キャンサーペアレンツという場を知り、皆さんと出会えました。

一部の方々とは実際にお会いすることができて、何年も何十年も前から友達だったかのごとく、心を通わせることができました。

インターネットのない時代に闘病されていた方々の孤独を思うと、いろんな方と励まし合い、情報交換し合い、不安を減らし、明るく闘病できる私たちは恵まれていますね。

私と仲良くしてくださった皆さん、

日記を通して励ましてくださった皆さん、

特に京都会、京都まで来てくださった皆さん、

本当にありがとうございました。

ひとりひとりにメッセージを送れないのが残念です。

皆さんはもっと、生きてください。

私は別の世界からずっと、みなさんに元気を送り続けたいです。

キャンサーペアレンツこっち支部を作って待ってますから

精一杯闘病して、生きて、楽しんでから来てくださいね。

この日記たちが、今後もがん患者の皆さんの一助になれば、嬉しいです。

また、いつかお会いしましょう。

ナオより

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