最近の解析から、一部のがんでは、組織幹細胞の内因性の挙動が悪性形質転換やがんのプログレッションを引き起こす可能性が示唆されており、外因性要因が腫瘍発生に与える影響に対し疑問が提起されるようになった。
今回Y Hannunたちは、幹細胞の動態に関連する内因性リスク要因のがん発生への関与はごくわずかであり、観察されるがんリスクの重要な要因ではないという証拠を示した。この新しい解析により腫瘍のプログレッションは外因性要因の影響を受けることが示され、がんの予防では外因性要因の考慮が重要であることがはっきりした。
Nature529, 7584
2016年1月7日
原著論文:
doi: 10.1038/nature16166
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