どのようにして現在の職場を見つけ、就職されたのでしょうか?
大学卒業後、素材メーカーの生産管理として仕事をしていました。
しかし、3年目に大きな仕事が落ち着いた時に次の目標を見失ったように感じ、転職しようと決意しました。
次の職場は決まっていなかったのですが、「とにかく環境を変えたい!」という思いで、まずは会社を退職。
自分の関心のある分野で、次に繋がる何かがないかなと思って探していた時に、ちょうど今の職場であるかものはしプロジェクトの説明会があり、足を運びました。
そして説明会の数週間後に、「社会人インターン募集」のお知らせをFacebookで見て、「これだ!」と直感的に思ってすぐに応募。
幸いにも採用していただき、今に至ります。
でも、私は日本事務所でインターンをするつもりだったので、当初はカンボジアに行くつもりはありませんでした。
ところが、その時たまたま帰国していた代表の青木がカンボジアを強く勧めてきて、私も勢いに負けて「行きます!」と言ったのがきっかけで、カンボジアに行くことに (笑)。
現在は、かものはしのインターンではなく職員としてカンボジアに駐在しています。
今の選択に後悔はなく、勇気を出して自ら退路を経ち、枠組みから飛び出して良かったと思っています。
仕事の内容について教えて下さい。
私が担当している仕事は、観光客向けに販売している、い草商品の商品開発です。
かものはしのミッションは、「子どもが売られない世界をつくる」。
子どもが売られてしまう背景には貧困があるため、農村に暮らす最貧困層の女性たちを雇用し、仕事の機会と安定的な収入を提供しています。
現在、約100名の女性が私たちの工房で働いているのですが、彼女たちはカンボジアで昔から馴染みのあるい草を使って、コースターやランチョンマット、ポーチなどの生活雑貨を生産しています。
マーケティングやお客さまへのヒアリングを通して新商品開発をすることはもちろんですが、現在は、商品全体のコンセプトメイクやブランディングを担当し、「かものはしの価値とは?」「お客さまに提供できる価値は?」という部分を考えています。
ただ、私は今までにマーケティング的な仕事をしたことはないので、日々勉強です。
最近は、日本から持ってきたマーケティングの本を読み、さまざまな商品のサイトを見ることに時間を割いていますね。
渡航前と渡航後で、現地イメージはどう変わりましたか?
シェムリアップには学生時代(2008年頃)に1週間ほど滞在したことがあり、その時は「なんかうす暗くて怖いな......」というネガティブな印象でした。
また、カンボジア滞在中に肌がボロボロになったので、「カンボジアの空気は私にあわない!」という教訓をもって帰国した記憶があります。
それでも、カンボジア人は人懐こくて好きだなと思っていました。
次にカンボジアに行ったのは、かものはしのスタッフとしてこちらに着任する2013年10月の前の夏休み。
これから住む場所を視察しておこうと思い、3日間ほどシェムリアップに滞在しました。
そこで受けた印象は、前回と全く違うものでした。
5年間で確実に国が発展していて、町並みも様変わり。
オシャレなお店もたくさんあるし、道路も整備されている、賑やかな雰囲気......全く問題ない、むしろ住みたい!と思い、今度は数カ月後に控えた移住にわくわくした気持ちを持って帰国することができました。
もうすぐ在住歴1年になりますが、シェムリアップという町はとても住みやすいです。
日本のように遊びに行く場所は少ないですし、週末の息抜きに苦労することもありますが、何もないからこそ自分たちで楽しみを作り出すことが面白いですし、何よりカンボジアの人びとが穏やかで、片田舎の雰囲気がすごく気に入っています。
色んな想いを持った人たちが色んな形で毎日奮闘していて、そういう人たちと近い距離でお話できることも自分の成長にとてもプラスになっていると感じます。
横山さんの一日のスケジュール
5:15 起床。出勤準備
6:00 朝食。自習タイム(クメール語、仕事関係の本など)
7:00 シェムリアップオフィスから工房にバンに乗って移動
7:30 勤務開始
9:00 生産部門のスタッフと新商品のサンプル制作の打合せ
11:00 シェムリアップオフィスに戻る。移動はヒッチハイク。
13:00 商品開発部門で定例MTG。各進捗の確認
15:00 JICA事業の進捗状況をカンボジア人スタッフと確認
17:30 クメール語レッスン
19:00 夕食
23:00 本を読みながら、就寝
プロフィール
横山 優里(YOKOYAMA YURI)
認定NPO法人かものはしプロジェクト
認定NPO法人かものはしプロジェクト カンボジア駐在員。早稲田大学卒業後、素材メーカーに就職し、工場の生産管理として3年間勤務。その後、2013年5月にかものはしプロジェクトの社会人インターンとして参画。法人向けファンドレイジングチームに所属し、法人様向けのファンドレイジング活動を担当。2013年10月から正職員として3年間半カンボジア駐在予定。日本ファンドレイジング協会准認定ファンドレイザー取得。
<取材・ライタープロフィール>
ABROADERS 代表 濱田 真里/Mari Hamada
海外で働く日本人に特化した取材・インタビューサイトの運営を4年間以上続けている。その経験から、もっと若い人たちに海外に興味を持って一歩を踏み出してもらうためには、現地のワクワクする情報が必要だ!と感じて週刊ABROADERSを立ち上げる。好きな国はマレーシアとカンボジア。
週刊ABROADERSは、アジアで働きたい日本人のためのリアル情報サイトです。海外でいつか働いてみたいけど、現地の暮らしは一体どうなるのだろう?」という疑問に対し、現地情報や住んでいる人の声を発信します。そのことによって、アジアで働きたい日本人の背中を押し、「アジアで働く」という生き方の選択肢を増やすことを目指しています。
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