安倍政権の内閣支持率が、50%を切る状態になっている。7月1日に集団的自衛権の行使を容認する閣議決定が行われたあと、共同通信が緊急で行った世論調査では、安倍内閣の支持率は47.8%となり、6月21日の52.1%から4.3ポイント下落。特定秘密保護法が成立した2013年12月に実施した世論調査での47.6%に次ぐ低さだった。47NEWSが報じた。
不支持率は40・6%と第2次安倍政権としては初の40%台に上昇し、支持率との差は7・2ポイントにまで接近した。行使容認への反対は54・4%で半数を超え、賛成は34・6%だった。安倍晋三首相が踏み切った行使容認に国民が納得していない実態が浮かんだ。
支持率50%割れは、特定秘密保護法成立直後の昨年12月調査以来。6月調査の不支持率は33・0%だった。
(47NEWS「内閣支持率47%に下落 集団的自衛権反対54%」より 2014/07/02 20:26)
調査では、82.1%が「検討が十分に尽くされていない」と答えており、公明党が容認へ態度を転じたことについても65.6%が「納得できない」と答えた。
なお、読売新聞が7月2〜3日に行った世論調査でも内閣支持率は48%となり、低下が見られる。
閣議決定の直前の報道各社の世論調査結果を見ると、それぞれの内閣支持率は毎日新聞が45%(6月27~28日調査)、朝日新聞が43%(6月21〜22日調査)、フジテレビFNNニュースが48.7%、日経新聞が47%(6月27~29日調査)などとなっていた。
毎日新聞は政府がこの時期に集団的自衛権の行使に関する閣議決定を行ったことについて、中国軍の海洋進出などで日中間の緊張が高まっている点のほか、高支持率の間に決定しておきたいとする政府の思惑と分析している。
首相が閣議決定を急ぐのは、今年後半にかけて景気回復が鈍化し、高い内閣支持率を維持してきた政権の勢いがそがれる事態を懸念しているためだ。安倍政権の命運がかかる経済政策では、政府が今月まとめる新たな成長戦略と「骨太の方針」に対する市場の反応が見極めにくい。首相は今年末に消費税率10%への引き上げの判断も迫られる。
今国会閉会後の内閣改造と自民党役員人事をカードに、政権内で行使容認への慎重論が広がるのを抑える狙いもある。与党関係者は「首相は内閣支持率が高いうちに、悲願の行使容認で公明党を押し切ろうとしている」と解説する。
(毎日新聞「集団的自衛権:高支持率の間に閣議決定…公明党に迫る決断」より 2014/06/10 06:50)
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