9歳の時、庭にできた巨大キャベツを見て、飢えに苦しむ人を救うNPOを作った女性がいる

20歳の今、彼女は全米で飢えとの闘いに尽力している
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2008年、9歳だったケイティ・スタグリアーノさんは、学校の研究課題で庭にキャベツの種をまいたとき、それが40ポンド(約18キロ)もの巨大野菜に育つとは思ってもみなかった。

しかし絵本『おばけ桃の冒険』の世界かと思うほど、キャベツはどんどん大きくなっていった。「当時4歳だった弟よりも、キャベツのほうが大きかったのです」と、彼女は振り返る。あまりに大きいので、祖父は鹿に食べられないようにするため、檻のような囲いを作った。

彼女はその時のことを鮮明に覚えている。3カ月かけて大きくなった窓の外のキャベツをながめながら、これをどう使おうかと彼女は考えた。家族はいつも食べ物を無駄にするのが嫌いで、食べたくても食べられない人がいると幼い頃から聞かせられてきたため、このキャベツを何かのために使おうと決めていた。

キャベツを収穫した後(もちろん手伝ってもらって)、ケイティさんはそれを地元のスープキッチン(炊き出し所)に持っていき、300人ほどの人に振る舞ってもらった。現在20歳で、サウスカロライナ州チャールストン大学に通う彼女は、飢餓を撲滅したいと願って、全米30州で活動を展開している。

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ケイティさんと巨大キャベツ

スープキッチンでの体験がきっかけとなり、2008年に彼女はNPO「ケイティズ・クロップス」を立ち上げた。「(スープキッチンの)外で人々が行列を作っていて、『このキャベツは皆さんのものです』と私が言うと、みんなとても優しくしてくれました。『ハグしてもいいか』と聞いてきた人もいました」と、彼女は振り返る。

2日後、彼女はスープキッチンに招待され、自分が育てたキャベツで作った料理を多くの人が食べている光景を目にした。「私の人生はそこからまったく別のものになりました」と、彼女は言う。「飢えは多くの人々に影響します。私自身の家族にも困難な時代がありましたから」

ケイティさんは庭の畑を使って野菜を育て始めた。そしてそれを収穫し、食事に困っている人々に与えた。その後、全米の子供たちがこの活動に関われるようにと資金を集め始めた。

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ケイティと弟とキャベツ。

この構想はうまくいった。そして彼女は、運転免許を取得する前からその活動を始めていた。現在、オースティン、シカゴ、フィラデルフィア、ニューヨークなど全米約100カ所の学校やコミュニティにある「ケイティズ・クロップス」が所有している畑で野菜が栽培されている。畑は、田舎や都市部にも、学校の校庭や家庭の庭にも、そして屋上にもある。

2017年だけで、スープキッチン、救護施設、フードバンクに4万ポンド(約1万8000キロ)の食料を寄付し、過去7年間で多くのボランティアが健康的な料理およそ1万7000食の調理や配膳に携わった。畑で育てた野菜を使った「ケイティズ・クロップス」の食事だ。

アメリカの最新調査によると、アメリカ国内のホームレスは推計で55万人以上だという。彼女の活動は間違いなく命にかかわることだ。

ケイティさんは、この非営利活動を国際的なものにしようとの壮大な計画を持っている。大手食品会社「ゼネラル・ミルズ」の「より良い未来に食を提供する奨学金プログラム」に認定され、5万ドルの資金と食品業界の助言を受けた。

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ケイティさんは現在、20歳の大学生だ。

ケイティさんの非営利活動は、彼女に「第二の家族」をもたらした。彼女が援助してきた人々だ。なかにはとても親しくなった人もいる。「10年以上の付き合いの人もいます」と彼女は言う。「彼らの生活が向上している様子や、『ケイティズ・クロップス』が助けになっている様子を見聞きするのは素晴らしいことです」

他の人から助けられた分、困っている人に食べ物を提供する人もいれば、手が空いているときに畑仕事を手伝おうという人もいる。

「私たちはとても多くの人々と出会ってきました。そして彼らがホームレスや飢えとの闘いから抜け出し、畑の手伝いにきてくれる。ほんとうに素晴らしいことです」と、ケイティさんは語る。

「それが『ケイティズ・クロップス』の活動をしていて一番良かったと思うところです。そして、彼らの生活がどれだけよくなったかを聞くと、本当に幸せな気分になります」

ハフポストUK版より翻訳、編集しました。