画期的な便秘イス、巨大ビジネスに大化け 今や年商16億円! きっかけは「お母さんのお通じ」だった...

アメリカでは「一つの運動を巻き起こした」と言われるほど注目を集めています。

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画期的な便秘イス「スクワティ・ポティー」を発明したロバート・エドワードさん

薬などに頼らず、姿勢を変えるだけで便秘に効くというイス、スクワティ・ポティー(Squatty Potty)。アメリカでは「一つの運動を巻き起こした」と言われるほど注目を集めています。便秘に悩む母親のため、ユタ州の男性が発明したスクワティ。今では売上が18億円をこえる巨大ビジネスになっています。

きっかけは母親の便秘

スクワティポティーを発明したのは、ロバート・エドワード(Robert Edwards)さんで、現在41歳です。起業のきっかけは母親のジュディー(Judy)さんの便秘でした。

「母は長年便秘に悩まされていました。ある日、お医者さんのアドバイスで、洋式トイレの前に小さい椅子に足を置いてしゃがむ姿勢になったら、便通が楽になったんです」

しかし、ここで問題が発生します。

「毎回椅子を運ぶのは大変だし、我が家の狭いトイレの中では、何回もつまずきそうになっていました」

そこで、考えたのが洋式トイレにぴったり収納できるような「U」字型の椅子でした。

「母はすっかり気に入りました。友人たちにプレゼントしたら、その家族や友人たちにもプレゼントしたいという輪が広がってしまい...それでスクワティポティー社を作ったんです」

しゃがむという自然な姿勢

ロバートさんはスクワティポティーの効果について「基本的に人間の体はしゃがんで用を足すように作られています。日本の和式トイレを考えればわかりやすいですよね」と言います。

「洋式トイレが普及したことで、直腸が十分に伸びることができず、便の通りが阻害されてしまった。お医者さんが母に椅子を使うことをすすめたのも、しゃがむという自然な姿勢を取り戻すためだったのです」

ユニコーンのCMも大成功

スクワティポティーの成功には、プロモーションも大きな役割を果たしました。

トイレで用を足す際の道具であることから、発売当初はうまく宣伝できずにいました。ロバートさんが悩んでいると「ユニコーンがお通じの方法を変えた」("This Unicorn Changed the Way I Poop")というアイデアが持ち込まれました。

ユニコーン案は、ロバートさんの両親から「少し大げさ」とダメ出しされ、投資家からも反対されました。しかし、ロバートさんは直感的に「いける!」と確信。リスクを冒しても試す価値があると決断すると、CMは大成功しました。

YouTubeでは2700万回以上の再生を記録し、売上も600%以上伸ばしました。2015年の売り上げは1820万ドル(18億円)を超え、2016年は30億円と見込まれています。

ロバートさんは「CMのおかげで、お通じのような話題も、話しやすくなりました」と胸を張ります。

「生活の質を高めてくれる」

今では全米に販路を広げているスクワティポティー。ブルームバーグは、スクワティポティーを「ナショナル運動」と表現して伝えました。

来年からはグローバル展開に力を入れるというスクワティポティー社。ロバートさんは「日本の人々も運動に参加してくれると信じています」と語ります。

「我々はスクワティポティーを通して、人々の生活の質を高めることができると信じています」

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