フランス南部のニースなどで、イスラム教徒の女性のために全身を覆い隠す水着「ブルキニ」を公共のビーチで着用することが禁止されたことを受け、4人の警官が、ビーチにいる女性が着ているブルキニを強制的に脱がせている写真が新たな論争を起こしている。
今日の疑問:「公共の場で女性の服を脱がせるのに、何人の武装警官が必要なのか?」
この画像はニースで撮影され、8月23日にツイッターに投稿された。7月14日の祝日、フランス革命記念日に発生したテロ事件で、86人の人々が亡くなった場所だ。
夏にブルキニを禁止しているのはフランス国内でニースなど26カ所のビーチで、違反者は罰金として32ユーロ(約3600円)を科される。
この武装した警官たちが、砂浜に座っている女性を取り囲む光景は、人々の神経を逆なでさせ、「じゃあ、修道女の修道衣も脱がされるのか」という批判が巻き起こった。
このビーチで不適切な振る舞いをしている人もいるが、この女性は違う
フランスがこの女性たちの服も脱がせるのか疑問だ。#BurkiniBan
フランス共和国の標語になぞらえて投稿した人もいる。
ブルカについてみなさんがどう感じようか気にしない。これは自由、平等、友愛とかけ離れている。#BurkiniBan
修道女がサーフボードに乗っている写真を投稿した人も現れた。
スカイニュースの司会者ケイ・バーリーは修道衣を着た2人の修道女が海で楽しげにはしゃいでいる画像に「シスターたちは自分たちのためにしている」(訳注・1985年のユーリズミックスの曲のタイトルにひっかけている)と見出しをつけて投稿した。
シスターたちは自分達のためにしている#BurkiniBan
#burkinibanは世俗主義者の社会が進めることではない。証拠その1。欧州至上主義者は容認する衣装...
大して変わらない。@khalidalbaihによるイラスト。
ブルキニの禁止はフランス国内で世俗主義の原則の議論を再燃させた。フランス政府は、ブルキニ着用を容認する姿勢だ。
マニュエル・ヴァルス首相は、水着は”女性の奴隷化”に基づいた世界観を表していると述べている。
「ラ・プロバンス」紙がインタビューで、女性が肌を露出するのは不純だ、だからこそ全身を覆うべきという概念は「古い考え方だ」と、ヴァルス首相は述べた。「これはフランスの価値観とは一致しない」
ブルキニ論争が起こる前、顔を覆うベールを公共の場で着用したり、学校でヘッドスカーフを着用することを禁止していたフランスの法律は、フランスにいるおよそ500万人のイスラム教徒をコミュニティから疎外する動きを招いた。
移民排斥を唱える過激派も、ブルキニを標的とする正当な理由として、以前に制定された禁止令を引き合いに出している。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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