アメリカの大手ビールメーカー「バドワイザー」が第51回のスーパーボウル向けにCMを制作したところ、アメリカへの移民に絡む内容だったため、トランプ大統領の支持者らからボイコット運動が起きた。
アメリカでは、アメリカンフットボールのシーズンを締めくくる頂上決定戦「スーパーボウル」の放映で、各企業が独自にCMを制作して放映するのが通例になっている。
テレビ放送やインターネットで事前に公開されたCMは、バドワイザーのドイツ人創業者アドルファス・ブッシュが、1987年にアメリカに渡り、のちにエーベルハルト・アンハイザーとともにアメリカを象徴するビールを製造する過程を描いている。
CMの中で、ブッシュは「この辺の出身者に見えない」ことを理由に疑いの目で見られる。「酷い扱いを受けたにもかかわらず、彼は歴史を作る歩みを止めなかった。『自分の夢は止められない』からだ」
バドワイザーは、このCMはアメリカのサクセスストーリーを描写したもので、最近の政治には関係ないと表明しているが、公開されたのは、ドナルド・トランプ大統領がイスラム教諸国からの移民や難民に入国制限を課す大統領令に署名した翌日のことだった。
そのため、ソーシャルメディア上で「移民支持か」「明らかに政治的」という批判が起こり、ボイコット運動まで始まった。
バドワイザーをボイコットしろ。政治的なCMをスーパーボウルで放送するな。アメリカ人は自分の国を守りたい!
もういいよ。バドワイザーをボイコットするときだ。あんたのビールも、意見も、不法移民もいらない
#boycottBudweiserを計画している連中のうち、移民の子孫でないのは何人いるのかね? あなたたち、みんなネイティブ・アメリカン?
トランプ大統領を支持または批判するとみなされた企業をボイコットする動きが相次いで起きているが、結果は様々だ。
大手コーヒーチェーンのスターバックスが難民1万人を雇用すると発表した後、トランプ支持者による「スターバックスのボイコット」が起きたが、反撃に遭った。運動は難民への共感とスターバックスへの支持行動につながった。
トランプ氏の大統領令に抗議してニューヨークのJFK国際空港でストライキに参加したタクシー運転手を、Uberが雇用するのを拒否したことに怒った人々の #DeleteUber(Uberを消せ)運動が起きた後、Uberのトラヴィス・カラニックCEOは3日、「Uberも自分自身も、トランプ政権のイスラム教を差別する大統領令とは距離を置きたい」として、トランプ政権の経済諮問委員会を辞任した。
ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
▼画像集「第51回スーパーボウル・ハーフタイムショー」▼
※画像集が表示されない場合はこちらへ。
関連記事