ブルース・スプリングスティーンとブライアン・アダムス「LGBT差別法」に抗議の公演中止

LGBTの当事者や支援団体は「差別的な法案だ」と反対運動を繰り広げてきたが、アーチストが賛同する動きも相次いでいる。
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Bruce Springsteen & The E Street Band perform in concert, Tuesday, Feb. 23, 2016, in Cleveland. (AP Photo/Tony Dejak)
ASSOCIATED PRESS

アメリカ全土で同性婚を認めるとする連邦最高裁の決定後、「信仰の自由」を理由に同性愛者ら性的少数者(LGBT)を拒もうとする法律制定の動きが、州レベルで相次いでいる。

ロイターなどによると、ノースカロライナ州では3月23日、知事が「出生証明書と同一の性別」の風呂やトイレを使うよう求める通称「ハウスビル2」(HB2)と呼ばれる州法にサインした。ミシシッピ州議会では4月1日、「信仰の自由」を理由に結婚式場が同性カップルの挙式を拒否したりできるなどの権利を認める州法が可決され、知事が署名するかどうかが注目されている。ジョージア州やバージニア州では、同様の「信仰の自由」に関する法律に知事が拒否権を行使した。

LGBTの当事者や支援団体は「差別的な法案だ」と反対運動を繰り広げてきたが、アーチストが賛同する動きも相次いでいる。

アメリカの人気歌手ブルース・スプリングスティーンは、4月10日にノースカロライナ州で予定されていたコンサートを中止すると声明を出した。同州での法律を「LGBTの人権が職場で侵害されたとき、訴える権利を冒すものだ」と批判。「自分とバンドが、彼ら自由の闘士たちに連帯を示すときだと感じた」と述べている。

カナダの人気歌手ブライアン・アダムスも、Facebookで、4月14日のミシシッピ州でのコンサート中止を発表した。「特定の人が性的指向のために、人としての権利を否定される州では、いい演奏はできない」として「ミシシッピ州が自ら間違いを正し、再び私のファンの前で演奏できることを願っている」と、州法の撤回を求めた。

一方でジミー・バフェットは公式サイトで、HB2を「バカバカしい仮定にもとづくバカバカしい法律」とこき下ろしたが、13日に同州で予定されていたコンサートは予定通り行うとした。

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