中国の工事現場で働く労働者がアップした動画が、ネット上で拡散している。ラジオフリーアジアが4月15日、Twitterに転載した。
動画はおよそ35秒。工事現場で働く男性が「一般の作業員が使う」という黄色いヘルメットと、視察に来た領導(リーダーや地位の高い人)の赤いヘルメットをそれぞれ手に持っている。
そして「実験をしてみよう。一体どちらが丈夫なのだろうか」と話すと、ヘルメット同士を勢いよくぶつけてみせた。すると、一般作業員の黄色いヘルメットは頭頂部が粉々に壊れてしまった。
赤いヘルメットは何ともなかった。
男性は「作業員のヘルメットはこの程度のものだ」と話し、壊れたヘルメットを地面に叩きつけ、動画は終わる。
■「危険な労働実態」に批判集まる
現地メディア観察者網によると、この動画がアップされると危険な労働実態について批判が集まった。
動画をアップした男性は取材に対し、黄色いヘルメットについて「現場でもらったものなので、誰が調達したのかは知らない。(動画が拡散されても)誰もこんなこと気にかけないよ」と話していた。
■楽観的過ぎた男性、発言を撤回
だが、男性の予想は楽観的過ぎたようだ。「澎湃新聞」が4月17日報じたところによると、男性は突如「(黄色いヘルメットは)自分で買ったもの」と発言を翻したという。
さらに「工事の責任者によってすでに安全なヘルメットに交換された」と責任者を擁護した。
このニュースをみたネットユーザーの間では、男性が何らかの「圧力」によって発言の訂正を迫られたという見方が広まっていて、「自分でわざわざヘルメットを買う奴がいるだろうか」や「何が起きたかみんな分かっている。だけど解決できない。はい解散」など男性に同情的な声が上がっている。