毎日30分だけ開くカフェがある。世界一のバリスタが提案するおうち時間の一杯

「寂しいな、不安だなと感じる人がいたら、コーヒーを一杯入れて、遊びに来てください。ここに来れば誰かと話ができるし、誰かの声が聞けます」
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井崎英典さん
株式会社QAHWA

新型コロナによる外出自粛を受けて、毎日昼過ぎに30分間だけZoom上でオープンする「#BrewHome」というカフェがある。参加者は自分で用意したコーヒーを飲みながら、会話に参加したり、トークにただ耳を傾けたり、つかの間のコーヒータイムを自由に過ごす。

企画の発起人は、2014年にアジア人で初めて世界一のバリスタとなった井崎英典さんだ。

背景には「おうち時間」が増えるなか、ストレスや孤独感を抱えている人に「ホッとする時間」を届けたいという思いがある。

新型コロナの今こそ、コーヒーで繋がりと安らぎを届けたい

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「#BrewHome」の様子
株式会社QAHWA

24歳でワールドバリスタチャンピオンに輝いた井崎さんは現在、コーヒーのコンサルタント「コーヒー・エヴァンジェリスト」として、コーヒーの魅力を伝えたり、コーヒーを使って課題解決したりする仕事をしている。

井崎さんにとってコーヒーは「平和をもたらす飲み物」だ。バリスタとしてこれまで30カ国以上を訪れてきた井崎さん。争いや差別、偏見などの現実も目の当たりにした一方で、コーヒーがあると不思議とその場に平和な時間が流れることを実感してきたという。

「普通だったら争い合うような人たちが、コーヒーという“共通項”があることで平等に過ごせる時間があるということに気付きました。コーヒーがあると世界が少し優しくなるんです」

そんな気付きが、自身の活動の理念「#BrewPeace(平和を淹れよう)」に繋がっている。

「#BrewHome」で届けたいのも、コーヒーを通じた「人と人の繋がり」と「平和な時間」だという。リアルな繋がりが制限される今、参加者が一つのテーブルを囲むように、オンラインで時間を過ごす。

「寂しいな、不安だなと感じる人がいたら、コーヒーを一杯入れて、遊びに来てください。ここに来れば誰かと話ができるし、誰かの声が聞けます」井崎さんはそう話す。

「#BrewHome」参加の方法は?

「#BrewHome」には、Zoomをダウンロードした上で、13時半にウェブページから「参加する」のボタンを押すと無料で参加できる。もちろん、一杯のコーヒーをお供にだ。

ゲストがいる日もあれば、井崎さんが参加者らと雑談をする日もある。「お馴染みのカフェで、バリスタがお客さんと他愛のないやりとりを交わす感覚」と井崎さんは言う。 

昼下がり、少しホッとしたいと感じたら、コーヒーを片手にぜひ参加してみてはいかがだろうか。