サッカーの往年の名選手、元ブラジル代表のペレ氏(73)は19日、ブラジルでの抗議活動やスタジアム建設の遅延などが、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会にリスクを及ぼし、当地を訪れる観光客の人数にも影響する恐れがあると述べた。
昨年ブラジルで行われたコンフェデレーションズカップでは、大会開催のほか、税金、インフレ、汚職や低レベルの公共サービスに対する不満から、国民が大規模な抗議デモを実施。ブラジルのW杯開催が決定した2007年以来、同大会の組織委員会に対する風当たりは強い。
W杯組織委員会の特別アドバイザーを務めるペレ氏は、メキシコ市での記者会見で、ブラジルでのデモ抗議がW杯を台無しにする可能性があるかとの質問に対し、「そう思う。外国人観光客の25%が訪問をキャンセルしたことが分かっている」と返答。
また「国民はブラジルがW杯開催国に決まったときに抗議するべきだった。開幕を直前に控えた今は抗議するべきではない」ともコメント。「W杯まで1カ月となった今も、スタジアムは完成しておらず、多くの問題がある。これは恥ずべきこと」と述べた。
ブラジルでは大会期間中(6月12日─7月13日)も、デモ抗議が続くことが懸念されている。[メキシコ市 19日 ロイター]
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