ブラジル混迷、ワールドカップ開幕も抗議デモ続く「要求、今しかない」【画像】

6月12日、4年に一度のスポーツの祭典、サッカー・FIFAワールドカップブラジル大会が開幕した。開幕戦が行われたサンパウロでは、ワールドカップに反対するデモが行われた。100人以上のデモ隊と、警棒や催涙ガスなどで重武装した警察との攻防が、試合開始前まで続いたという。

6月12日、4年に一度のスポーツの祭典、サッカー・FIFAワールドカップブラジル大会が開幕した。サンパウロで行われた開幕戦は3対1でブラジルがクロアチアを下した。優勝候補に挙げられているブラジルは、地元の期待を一身に背負ったネイマールが2ゴールを決め、開幕戦をものにした

■試合直前まで、デモ隊と武装警備隊の攻防

一方、開幕当日も各地でデモが行われ、開幕戦が行われたサンパウロでは、ワールドカップに反対するデモが行われた。100人以上のデモ隊と、警棒や催涙ガスなどで武装した警察との攻防が、試合開始前まで続いたという。

サンパウロでは開幕戦の開始数時間前、W杯に多額の資金が投入されたことに怒りを示す100人以上の市民がデモ抗議を実施。警察はデモ隊を排除するため、催涙ガスなどを使用した。

デモ隊は約2時間後に再び集結し警察と衝突。投石のほか、ごみに火をつけるなどした。ブラジル対クロアチアの開幕戦が行われるスタジアムへとつながる道路を封鎖することが目的だったとしている。

(ロイター「W杯=デモ隊がブラジル警察と衝突、開幕直前に」より 2014/06/13 06:15)

■抗議デモ続く「要求を通すなら、今しかない」

今後もワールドカップを「人質」に、教育や医療、福祉などの充実を求める抗議デモが計画されており、大会が順調に実施できるか予断を許さないという。治安やインフラの改善が進まないブラジルでは、ワールドカップへの巨額投資に対する国民の不満は大きい。デモ隊や、公務員のストライキを主導する労働組合幹部は「要求を通すなら今しかない」と口をそろえる。

デモを呼び掛ける過激派や、公務員のストライキを主導する労働組合幹部は「政府は今、恥をさらすわけにはいかない。要求を通すなら今しかない」と口をそろえる。

公立病院は医師や設備が足りず、予約は数カ月待ち。公立学校も不足しており、2部制が当たり前で「W杯の代わりに医療、教育を」という国民の声は強い。

(SankeiBiz「ブラジルの憂鬱 W杯「人質」にデモ 敗退なら「暴動」」より 2014/06/13 10:30)

6月に入り、地下鉄、市バスや警察などの労働組合も、賃上げを求めてストを実施している。

6日もサンパウロでは地下鉄労組のストで運行が停止し、大渋滞を引き起こした。航空労組も賃上げを求めてストの構えを崩していない。ほかにも各地で先住民や市バス、警察のストが相次いでいる。政府は警察職員などの賃上げを受け入れたため、かえってストが広がる結果になっている。

(「W杯が人質、デモ相次ぐブラジル 「潤うのは金持ち」 - 2014ワールドカップ」より 2014/06/08 16:59 )

2013年に開催れたコンフェデレーションズカップの開催期間も、各地でデモが激化し、参加者は100万人に上った。デモを沈静化したのは、ブラジル代表の優勝だったという

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