中国の「3大航空会社」が5月22日までに、相次いでアメリカのボーイング社に対し損害賠償請求を起こしたことが分かった。中国の国営テレビ「CCTV」などが報じた。
訴訟を起こしたのは「中国東方航空」「中国国際航空」「中国南方航空」の3社。ボーイング社の「737 MAX」の関係する一連の事故の影響で同機を所有する3社に損害が発生したとしている。
東方航空が5月21日、賠償請求を行ったことを明らかにしたのに対し、国際航空と南方航空が続いた形だ。
「737 MAX」をめぐっては、2018年10月にインドネシアで墜落事故を起こし、乗員・乗客の189人が死亡していた。
さらに2019年3月には、エチオピアの首都、アディスアベバ郊外でエチオピア航空が運航する同型機が墜落し、乗員・乗客157人全員が死亡した。中国当局は一連の事故を受けて、国内の航空会社に当該機の商業運航を停止するよう命令していた。
現地メディア「中国経済週刊」によると、3社はいずれも、この影響で飛行機が予定通りに運航できなかったり、購入した「737 MAX」が納期までに引き渡されなかったりしたなどとしている。
中国はボーイングの「お得意様」で、中国の会社は「737 MAX」を96機所有していて、今回請求を行った3社だけで半数以上を占めるという。