ボリス・ジョンソン氏の外相就任に不安の声続出「イギリスの恥」「もう冗談はうんざり」

メイ首相の決断がいかに「とんでもないこと」なのか、溢れんばかりに理由が挙げられている。

イギリスの新首相に7月13日就任したテリーザ・メイ氏の新内閣で、最大のサプライズが、閣僚経験のないボリス・ジョンソン前ロンドン市長の外相就任だった。

ジョンソン氏はEU離脱派の中心人物で、国民投票で離脱が決定したあとは次期首相に有力視されていたが、与党保守党の党首選直前の6月30日、党首選に立候補しないことを発表した

ジョンソン氏が外相に就任したというニュースで、ネット上には嵐のような懸念が溢れかえっている。メイ首相の決断がいかに「とんでもないこと」なのか、これでもかとばかりに理由が挙げられている。

彼はこれまで外国の指導者を何人もこき下ろしてきたのに、これからまさにその相手とイギリスの国益を背負って話し合うことになる。

ジョンソン氏は5月に、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領について「極めて攻撃的な」詩を発表して賞に輝いたばかり。エルドアン大統領とヤギのセックスを描いて笑いものにした五行詩で、1000ポンドの賞金を手にしたのだ。

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次期外相への指名を受けた後、手を振るボリス・ジョンソン氏

ジョンソン氏は、アメリカのバラク・オバマ大統領を「一部がケニア人の大統領」と呼んだことがあるし、2008年の北京オリンピックで中国を訪問した時、五輪旗の引継ぎでスーツのボタンを留めるよう注意されても無視し、中国の高官をいらだたせた挙句「傲慢、粗野で無礼」と非難された。

差別的発言にもこと欠かない。

ジョンソン氏は2002年、諸国を歴訪中のトニー・ブレア首相(当時)にデイリー・テレグラフ紙のコラムに極めて辛辣な意見を述べた。「ブレア首相はイギリスから国外に出ることができて、さぞかしほっとしていることだろう。いつも黒人の子供たちが大勢集まって旗を振って出迎えてくれるのだから、女王陛下もイギリス連邦をすっかりお好きになられたようだ」

ボリス・ジョンソン外相とオバマ大統領による初の公式会談は興味深いものになると予想される。まず謝罪の言葉から始めることを提案する。

ボリス・ジョンソン外相にとって、自分が侮辱した国を訪ねるのは気まずいことだろう、特に彼が「スイカみたいな笑顔」を持つと評した黒人たちが住む国には。

他にもジョンソン氏は「スイカみたいな笑顔」を持つ人たちについて話題に出し続けた。

2013年のロンドン市長選のとき、ジョンソン氏は一連の発言を謝罪した。発言のせいで気分を悪くさせてしまったことを、彼は「悲しい」と言った。また文脈を無視して解釈されたと主張した。

ジョンソン氏は以前、雑誌「スペクテイター」の編集者を務めていたときにも、黒人はIQが低いという記事の掲載を許し、非難されたことがある。

「スペクテイター」誌では、「Taki」と名乗るコラムニストはこう書いている。「東洋人は…頭が良く、IQのスコアが高い。黒人は正反対だ」

また別の記事では、ジョンソン氏が黒人系アメリカ人バスケットボール選手を「膝からぶら下がった腕と突き出た舌」を持っていると表現した。

のちにジョンソン氏はイブニング・スタンダード紙にこう語った。「以前書いた内容について申し訳なく思っています。あれは私の心の中を反映したものではありません」

この釈明は、他の議員や政治評論家たちには通用していない。

テリーザ・メイの蜜月時代はもう終わり。ボリス・ジョンソンが外相なんて理屈に合わない。

彼女はとても上手に、慎重に始めた。それなのにボリス・ジョンソンを外相にした。なんてことだ。

イギリスの恥。

ボリスが外相だって? 誰か、どうか、どうかリセットしてくれ。もう冗談はうんざりだ。

ボリスが外相なんて、ああ神様。ブレグジット(イギリスのEU離脱)は海外にあるイギリスの連合国に危機感を与えなかったようだ。

ボリス・ジョンソンが外相になった。世界でのイギリスの地位のために彼がこれからやることは、ウサギにとってのミクソマトーシス(ウサギの伝染病)と同じだ…。

言葉がない。

ボリス・ジョンソンとデイヴィッド・デイヴィス(EU離脱担当大臣に就任)が、普通に働く人の財産を守ることができると思う人は手を挙げて。

ハフポストUK版の政治担当で、現アルジャジーラのプレゼンターを務めるメディ・ハサン氏は、ロンドン市長時代にもジョンソン氏の失敗談は数限りないと指摘した。

メイ首相は内相時代に、ドイツから放水銃3基を購入したジョンソン市長に対し、イギリス国内での高圧放水車の使用を認めなかった。

「この前彼がドイツ人と交渉したとき、新品同様の放水銃を3つ手に入れてきた」――メイ氏はついこの間、ボリス氏をこう言ってバカにしていたではないか。

またハサン氏は、新内相のアンバー・ラッド氏もかつて不倫スキャンダルにまみれたジョンソン氏を批判していたことがあると指摘している。

新内相が、新しい外相は"家に送って欲しいような男性ではない"と発言したことも覚えているだろうか。

コメディアンのリッキー・ジャーヴェイスは面白い冗談を言うことすらできなかった。

やれやれ! イギリスが世界中の物笑いの種になりはじめているときに、ボリス・ジョンソンが外相に任命された。

いや、我々はすでに世界中の物笑いの種なんだ。完全に物笑いの種になったも同然だ。

他にも、ジョンソン氏をこき下ろすツイートで溢れかえった。

ボリス・ジョンソンの外交政策はおそらくこんなふうになるだろうという動画を用意した。

ボリス・ジョンソンが新外相になった。しばらくはTwitterでこれ以上の面白いジョークを見られるとは思えない。

リピート・アフター・ミー。ボリス。ジョンソン。外務。大臣。

みなさーん、我が国の新しい外相はボリス・ジョンソンです。

返り咲きキング@BorisJohnsonが外務大臣だ。今朝、彼は私に「入閣はまずないでしょう」で言ってましたけどね。

ハフポストUK版より翻訳・加筆しました。

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