2014年の冬のボーナスは、従業員1人あたり約37万4000円。大手企業だけで見ると71万円になる見込み――。
第一生命経済研究所が11月6日、2014年冬のボーナス見通しに関するレポートを発表した。民間企業におけるボーナスの平均支給額は、一人当たり37万3826円と前年比で1.9%増え、冬のボーナスとしては 2004年以来の高い伸びになるという。
また、雇用情勢が改善していることもあり、支給額だけでなくボーナスの支給対象者数も増加すると見込まれ、前年比で2.8%増え、3939万人(夏のボーナス:3780万人)に支給される見込みだ。
大企業では高い伸びが期待できる一方で、中小・中堅企業では伸び率の鈍化も見込まれるという。大企業は、春闘時にその年の年間賞与を決定することが多く、すでに主要企業のボーナスは大幅増で妥結されている。しかし、中小・中堅企業では労働組合の組織率が低い上に労使交渉自体がそもそも実施されないことが多く、大企業直近の収益状況・業況が賞与に反映されやすい傾向にある。そのため、消費税増税後に景気が精彩を欠いていることはマイナス材料だと、レポートは指摘している。
■増える業種、増えない業種
労務行政研究所が10月8日に発表した調査によると、東証一部上場企業だけで見ると、2014年冬のボーナス支給額の平均は一人あたり70万9273円になるとされており、前年比で4.6%増加するとみられる。
この調査は、東証第1部に上場する企業のなかで、既に春闘時にボーナスの額が妥結した206社の状況を集計したもの。業種別でみると、17業種のうち14業種が前年比で増加となり、なかでも鉄鋼(16.4%)、輸送用機器(8.1%)などの伸び率が大きい。
しかし、夏のボーナスと比べると0.4%増加にとどまる。自動車は前年比で9.1%増の93万3193円だが、昨夏と比べるとマイナス3.4%となった(2013年実績は96万6479円)。
また、非製造業は前年比で0.4%支給額が減ると見込まれており、倉庫・陸運関連は2.2%減、情報・通信は1.7%減となる。一方で昨夏と比べると、これらの業種は増加している。
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