財務省の“森友文書”書き換え 会計検査院「2種類あると気付いていた」と明かす

野党、ずさん検査を指摘
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財務省の説明資料より
HuffPost Japan

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書をめぐる疑惑で、財務省が3月12日午前、14の文書に「書き換え」があったと認める調査結果を国会に報告した。

これを受けて同日午後、野党6党が合同ヒアリングを国会内で実施。この中で、国有地売却の経緯を調査していた会計検査院の担当者が「2つの文書が存在すること」を検査中に把握していたと明かした。

野党議員からは、会計検査院の調査のずさんさを指摘する声があがった。

◆「決裁文書2つ存在」把握も、検査を続行

2017年2月、森友学園への国有地売却が問題視されると、その経緯について会計検査院が検査を実施。その過程において、今回「書き換え」が明らかになった決裁文書の一つ「貸付決議書」についても確認していた。

この文書について会計検査院は、財務省と国土交通省から提出を受けていた。

ところが、同院の検査担当者は、同じ文書にも関わらず「記述内容が異なっていた」ことに検査中から気づいていたという。にも関わらず、同院は検査を続行した。

ヒアリングに出席した会計検査院の担当者は「財務省の提出文書は、書き換え後のものだった」「財務省からは、提出した書類が最終版と説明を受けた」と明かした。

森ゆうこ議員(自由)は「会計検査院までちゃんとやっていないのかという話になる」と指摘した。

以下、ヒアリングにおける野党議員らと会計検査院担当者とのやりとり。

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辰巳孝太郎議員(共産):財務省から提供を受けたものは、改ざん後のものだと。国交省から提供を受けたものは改ざん前のものだった。なぜ、会計検査院は気づかなかったのか。

担当者:この点につきましては、2つの種類のものがあると検査の担当者のほうで気づきまして、いつごろか正確にはわからないが、検査期間中で...

辰巳議員:実地検査中?

担当者:実地検査中というわけではないが、3月に要請を受けてから...

辰巳議員:去年(2017年)11月22日に報告書を出す以前の段階で、別のものが2つあると会計検査院は知っていたと?

(編注:会計検査院は2017年11月に「大幅値引きの根拠が不十分」「関連文書が廃棄されていたことで、経緯の十分な検証ができない状況だった」とする報告書を出している)

担当者:はい。あのー、その点につきましては、そういうことになります。

(「えー?」と驚きの声)

今井雅人議員(民進):2つ(の文書)が異なると気づいて、国交省と財務省に会計検査院のほうから照会したのですか?

担当者:財務省のほうに確認したということは、確認できております。

辰巳議員:つまり、財務省から『私たちのほうが本物です』という説明を受けたということは、去年の段階で財務省が2つの種類の決裁文書があるということを(会計検査院は)わかっていた。だから、財務省は皆さんに(財務省が提出した書類が最終版だと)伝えたということでは?

福島みずほ議員(社民):国土交通省が間違っていると確認したのか?

担当者:財務省が提出したものが最終版であると...(報告をうけた)

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会計検査院は、国の収入・支出の決算、政府関係機関・独立行政法人などの会計、国が補助金等の財政援助を与えている団体等の会計検査などを行う、憲法上の独立した機関。