"脱走マグロ的"人材・働き方の時代

脱走マグロ。イメージを拡張するほどに、イマドキの就活や働き方といった潮流のメタファーになっていくから面白い。
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3月29日、時事通信が、ユニークかつ示唆に富んだニュースを配信した。

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漁師が「脱走マグロ」と呼ぶ、養殖いけすから海に逃げたとみられるクロマグロが各地で漁獲され魚市場に登場。天然物に近い締まった食感を兼ね備えた上質魚もいるため、注目され始めているという記事内容だ。

「脱走マグロ」は、運動量が増えるため、歯応えなどの食感が養殖物より向上しているうえ、餌に由来する養殖魚特有の臭いも薄く、築地の仲卸業者が太鼓判を推すほどに美味なのだという。

さて、この脱走マグロ。イメージを拡張するほどに、イマドキの就活や働き方といった潮流のメタファーになっていくから面白い。

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大企業よりもスタートアップ/ベンチャーを志向する高学歴学生、

会社に属するも環境に合わず、ドロップアウトしてから輝いた若手起業家、社会起業家etc.

今さまざまな業界で注目・期待されている彼らは、いわば会社社会の脱走マグロたち。

高スペック、高ポテンシャルの"クロマグロ人材"は、制約条件の多い"養殖いけす組織"ではなく、自由闊達に動き回れる環境でこそ、真の味を発揮するってわけだ。

イマドキ、脱走は決してネガティブではなく、安定にあえて「さよなら」したその勇気と行動力はむしろ賞賛に値する。

参考

AERA 特集「ベンチャーブーム再到来」内記事 

実はウチの会社にも、脱走マグロくんがいて、大活躍をしている。彼は、灘中、灘高卒で、魚界で言えばクロマグロのなかでも最高級の部類に入るが、

大学卒業後に入った最初の会社は、ブラック企業。意を決して脱走してウチの会社に来てからは、満面笑顔で高スペックの頭脳をフル回転し、成果を上げ続けている。

中小の優良企業が、大手を早期に脱出した第二新卒市場を漁場に、採用を強めているというニュースも見かける。

養殖マグロを食べ続けているリーダーたち、

脱走マグロの味は、驚くほど美味しいかもしれないですよ。