ネット接続大手の「NTTコミュニケーションズ」が「漫画村」などの海賊版サイトへのアクセス遮断を発表したことを受けて4月26日、埼玉県の中澤佑一弁護士が、NTTコミュニケーションズに対してアクセス遮断の中止を求める裁判を東京地裁に起こした。
中澤弁護士は同日、都内で記者団の取材に対して「海賊版サイトの著作権侵害は許せないが、アクセス遮断はするべきではない」と訴えた。
■NTTグループによるアクセス遮断とは?
政府は4月13日に「漫画村」「AniTube! 」「MioMio」という3つの海賊版サイトについて、プロバイダー各社が自主的にアクセス遮断を実施することを促す決定をした。
これを受けて4月23日、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTぷららの3社が連名で「海賊版3サイトに対してブロッキング(アクセス遮断)を行うこととし、準備が整い次第実施します」と発表していた。
■「中国のグレートファイアーウォールと同じ状況になる」
中澤弁護士は、NTTコミュニケーションズのプロバイダーを利用していると明かした上で、「アクセス遮断をするのであれば、きちんとした法律が必要で、現状では違法な行為だ。プロバイダーの利用規約・約款のどこにもアクセス遮断を認める規定はなく、契約にも違反している」と話した。
その上で、「政府の意向で、特定のサイトが恣意的にブロックされるようになれば、中国のグレートファイアーウォールと同じ状況になる」と警鐘を鳴らした。
中国では通称「グレートファイアーウォール」と呼ばれるネット検閲が施行されており、Google、Twitter、Facebookなどへのアクセスが遮断されている。