ブラックホールが死にゆく星を切り裂く驚きの瞬間(動画)

新しいNASAの映像では、寿命が尽きかけているある星が、ブラックホールのごく近くを通り過ぎる時に起きた出来事が描かれている。

これは宇宙でもっとも激しい活動なのかもしれない…しかし、美しいのは確かだ

新しいNASAの映像では、寿命が尽きかけているある星が、ブラックホールのごく近くを通り過ぎる時に起きた出来事が描かれている。

ご想像の通り、この星には安らかな死は訪れない。

「ブラックホールは星を切り裂き、たちまち物体を飲み込み始める。しかし、それで話は終わらない」。オランダ宇宙研究所でブラックホール研究を行うイェラ・カーストラ氏は、報告書の中でこう述べた。「このブラックホールは飲み込むペースを保つことができず、物質の一部を吐き出す」。

まるで催眠術にかかったかのようだ。

『ネイチャー』誌に発表されたこの研究は、3つの軌道X線望遠鏡からのデータを用いている。これらの望遠鏡の観測データから、星がブラックホールに飲み込まれる際に起こる現象が明らかになった。

ブラックホールの重力は、星を引っ張り、切り裂き、強烈な潮汐力を生み出す。星の一部はブラックホールに飲み込まれるが、一部は高速でパラレルワールドに放り出される。

この結果、X線フレアが数年にわたって観測される。

この研究は、ASASSN-14liと呼ばれる潮汐破壊現象の観察に基づいて行われた。ASASSN-14liは2014年11月に初めて見つかった現象で、およそ2億9000万光年の彼方で起こっている。

「この数年間、私たちは潮汐破壊現象の兆候が表れていた。そして、起きていることについて、多くの考えを発展させてきたのです」。アナーバーにあるミシガン大学に所属する、研究リーダーのジョン・ミラーは、ニュースリリースでこう述べた。「これは、ブラックホールが星を切り刻む時に起きることを本当に理解する上で、これまでで最高の機会なのです」。

この夏、宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキング博士は、ブラックホールに吸い込まれた物が、実は永遠に消失するわけでなく、代わりにパラレルワールドで回収されるかもしれないと述べた。

ホーキング博士は次のように述べている。

「今回伝えたいのは、ブラックホールは思ったほど真っ黒ではないということです。ブラックホールは、かつて考えられていたような永遠の牢獄ではありません。物質はブラックホールの外側、そしておそらく別の宇宙の両方へと抜け出すことができるのです」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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