過去30年に渡って数々の女性に、性的嫌がらせをしてきたことが報じられたハリウッドの超大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン。名だたる有名女優が次々と声をあげ、騒ぎは大きくなるばかりだ。
10月14日には、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーがワインスタイン氏を団体から追放すると発表した。
そんな中、女優で歌手のアリッサ・ミラノさんが、世界中の女性たちに呼びかけた。「セクハラや性的暴行をされたことがある皆さん、"Me too(私も)"と声をあげて」。
ミラノさんは10月16日、自身のTwitterアカウントで「もし、セクハラや性的暴行にあった女性たちがみんな"Me,too"と声をあげてくれたら、この問題の巨大さを人々に気付かせることができるのでは」という友達の言葉を引用し、呼びかけた。
このツイートに、女性のみならず男性からも多くの「Me,too」のコメントがついた。家族や上司などから受けたセクハラの被害経験を詳しく書くユーザーや、「誰にも話すなと教えられた」「乗り越えるものだと言われた」と吐露するユーザーもいた。
■自分のためではない、誰かのためだから、声を挙げられるのではないか。
アリッサ・ミラノさんの呼びかけで"Me,too"の声をあげた人たち。一人の告発では世の中を変えられなくても、数万の声が集まれば「問題の巨大さ」を知らしめ、議論をはじめることができるかもしれない。
アイスランド出身の歌手・ビョークさんも「世界中の女性たちがインターネット上で告白している姿に影響されて声をあげることにした」という言葉とともに、自身が過去に映画監督から受けたセクハラ体験をFacebookで告白した。当時、映画監督は出演者誰にでもセクハラができるし、業界全体が当然のようにそれを容認する雰囲気があったいう。
ビョークさんは、「この(私の)告白が、世界中の女優や俳優の助けになってほしい」と綴り、「世界が変わる波がきている」と締めくくった。
■男性も告白「絶望してる被害者を勇気づけたい」
映画『エクスペンダブルズ』シリーズなどに出演している俳優のテリー・クルーズさんも、勇気を持ってセクハラ体験を告白した一人だ。
元アメリカン・フットボール選手で"男らしい"姿の彼が受けた酷いセクハラ体験。セクハラ被害者は必ずしも女性だけでない、ということを世界に知らしめた。
テリーさんはTwitterに「自分の告白によって加害者を思いとどまらせたり、絶望している被害者を勇気づけたい」とつづった。
次々と"Me, too"の声が上がっているハリウッド。大きな告発のうねりを、私たちはどう受け止めるべきか考えてみたい。