それは、ビットコインを所有する女性たちがほとんどいないためだ。こう述べるのは、ビットコインユーザーに関する調査を行ない、自身のブログ「Simulacrum」で結果を公表した、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの研究者ルイ・スミス氏だ。
調査はまだ継続中だが、現在のところ、ビットコインのユーザーは93%が男性だという。昨年の調査でも、ユーザー1000名中95%が男性だったという。
この昨年の調査によれば、平均的なビットコインユーザーは、「32.1歳でリバタリアン(自由至上主義者)の男性」だ。調査対象者の44%は、自らを「リバタリアン/無政府主義的資本主義者」だと述べている。
そして、他の調査では、「リバタリアン/無政府主義的資本主義者」は白人男性に多いことが明らかになっている。
ビットコイン決済会社「Coinbase」の共同創業者フレッド・アーサム氏も2014年1月、ニューヨーク市金融サービス局が開催した公開討論会において、自社のユーザーは「93%が男性」であり、年齢層は若く、他人より6カ月から8カ月ほど先駆けて「最先端テクノロジーをいちはやく利用するタイプ」だと述べている。
「TP」のアニー・ローズ・ストラッサー氏は、「広く受け入れられているわけではなく、認識すらされていない場合もあるデジタル貨幣に資金を投資できる」ユーザーは、もともと富裕層であり、「金融界やデジタル空間を自由に移動する人々でもある」と指摘している。「コンピューター科学の知識が豊富で、富があるこうした人々は、主に若い白人男性層だ」
一方、数少ない女性ビットコイン・ファンであるアリアナ・シンプソン氏は、2014年2月に「Business Insider」で、ビットコインの会合に初めて参加したときの体験を紹介している。参加者は男性ばかりで、もうひとりの女性とともにたまたま参加したシンプソン氏は、まるで「ユニコーンのように」珍しがられ、さまざまな不快な待遇を受けたのだという。
「いまだ黎明期にあるビットコインは、潜在的な可能性を秘めている。今ここで女性がビットコインに積極的な関心をもたなかったら、大きく女性が取り残される分野がまたひとつ生まれてしまうだろう」と、シンプソン氏は書いている。
とはいえ、今回の大混乱に巻き込まれずに済んだことは、女性たちにとっては幸いだった。マウントゴックスは、4億ドル相当のビットコインを盗難により失ったと述べている。もはや回収は不可能なようだ。
さらなる規制や利用者保護対策の導入によってビットコイン業界が整備されるまでは、できるだけ手を出さないのが賢明だろう。とはいえ、今後のビットコインは、女性たちに手伝ってもらったほうがうまく行くのかもしれない。
[Mark Gongloff(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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