ビットコインはもう終わったものなのか?デジタル通貨はここ数年で話題に上ることが多くなった。しかし、多くの人はビットコインを遠巻きに眺め、今あるビットコインがそのままの形で数年後も存在しているのだろうかと悩んでいる。XapoのWences Casares、Nathaniel Popper (Digital Goldの著者)、BTCC(旧称BTC China)のBobby Lee とTechCrunchからはJohn BiggsがDisrupt SFのステージに登壇し、私たちのお気に入りのインターネット通貨について話をした。
「今は最良の時であると同時に最悪の時期です」とBooby Leeは言う。「完全に分散した信頼の置けないデジタルなアセットクラスが実際に使えるようになりました。次の2年間の動向は注目に値します」。
他のメンバーもLeeと同じようにビットコインが停滞していると考えていた。しかし、良い兆しもいくつかあるという。投資家は賢い投資をし始め、起業家は盤石なプロダクトを構築している。
「現在、より良い投資とインフラの構築がなされています。私たちは短期間で多くの人の関心と資金を集めることができました」と Wences Casaresは言う。「ほとんどの人は変化が起きるのに6ヶ月程度しかかからないと予想していましたが、実際は長い時間がかかっています。物事が良い方向に進む前に、悪化することも考えられます」。
何故一夜にして通貨の革命が起きないのだろうか?当然のことながら、ユースケースの問題がある。「ビットコインは私たちにお金とはそもそも何かということを教えてくれます。お金とは信頼のことです。ビットコインは当初、あてにできないシステムとして売り出されました。私は、それが多くの人を引きつけたのだと考えています」とNathaniel Popperは言う。「しかし、実際に人がお金として使用するのであれば、それを信頼する必要があります。コードに問題があったり、システムを支える暗号化の工程の守りがゆるいなら、価値はなくなります。一方で、現在多くの人が資金を投入しています。問題点は修正され、まだどこかに向かうことができるでしょう」。
しかし、それはビットコインが未成熟なプロトコルであるという意味ではない。Casaresは全く逆だと考えている。「プロトコルの上にあるサービスをハックすることはできるでしょう。ただ、例えばウェブメールのプロバイダーに問題があるからといって、Eメールのプロトコルが壊れているということではないのと同じです」と話す。
Xapoの場合、ビットコインのプライベートキーをオフラインの金庫に入れることで安全を確保している。メインの金庫はスイスにあるそうだ。セキュリティーを真剣に考えるサービスプロバイダーが登場した現在、何故ビットコインとブロックチェーンが必要かを考える必要がある。
ブロックチェーンは、インターネットで認証のレイヤーを構築したい場合に最適だ。ビットコインの価値を劇的に高めることができるだろう。そしてもちろん、ビットコインはインターネット上で送金するために最適な方法だ。それは全く異なるユースケースだ。最初に何が台頭することになるかに今後注目したい。しかし、それはもう少し先の話のようだ。
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(2015年9月22日 Techcrunch日本版「Disrupt SF:Digital Goldの著者らと語るビットコインの現状と将来」より転載)
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