ビットコインを初めとする仮想通貨への投資が加熱しています。
年初から2倍3倍と上昇を続ける様子は仮想通貨元年と呼ばれるにふさわしい様相です。
2017年4月7日からビックカメラがビットコイン決済を導入し、他にもコンビニでのビットコイン決済や大手航空会社が航空券をビットコインで購入できるよう協議が進んでいるとのことです。
仮想通貨=ビットコインかと思っていたら、他にも色々あります。
イーサリアム、リップル、ライトコイン、Moneroなどなど多種多様な仮想通貨が誕生しています。
そのような中、地方創生の観点から地域独自の仮想通貨を作ろうという話題も出てきています。
その地域だけで使える仮想通貨を作って地域経済の活性化を図ろうという趣旨です。
一昔前、地域通貨という議論が盛んになったことがあります。
市内やコミュニティー単位で使える通貨のことです。
それの仮想通貨バージョンですね。
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実際、岐阜県の岐阜県の飛騨高山エリア限定で利用できる電子通貨プラットフォーム「さるぼぼコイン」(仮称)の実証実験が5月15日に始まりました。
飛騨信用組合の全職員(約200人)に、飛騨高山エリアの飲食施設で実際に使ってもらい、実用化に向けた課題を抽出するそうです。
秋にも商用化する計画。地元経済の活性化につなげるほか、外国人観光客向けの新たな決済手段として提供したい考えだそうです。
(IT Medeia より引用)
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確かに、その地域独自の仮想通貨は面白い発想だと思いますが忘れてはならないのは地域通貨で成功した自治体はないということです。
皆さんは、地域通貨といえば○○市といった成功例をパッと思いつくことができますでしょうか?
ネット検索しても残念ながら見当たりません。
その理由を考えて見ますと、通貨が成功するには流通量の拡大が必須だからです。
つまり、その通貨の利用者数と利用可能店舗数が絶対的に多くなければならないわけです。
今は車社会で、さらに電車や新幹線、飛行機といった交通手段が発達しており、
他地域への移動が簡単になった今、その地域でしか使えない通貨はエリアが狭すぎるのです。
米ドルが基軸通貨である所以は、世界で最も決済に使われる通貨だからですね。
米国だけでしか使えなかったら誰も保有しません。
よって、地域通貨が成功する条件はその地域だけでなく日本中と世界中で使える通貨になることでしょう。
ローカル通貨に留まらないメジャー通貨を目指すくらいじゃないとその地域ですら使ってくれる人はいないんじゃないでしょうか。
さらにリアル通貨の為替変動にあたる値上がり率も他の地域仮想通貨を凌駕しないといけません。
ビットコインが人気なのは、世界どこでも決済できるという点よりはその値動きの上昇率が高いので資産運用に今は適しているという理由が最も高い気がします。
値上がりすればいいですが、値下がりリスクも伴う為替変動ある地域仮想通貨を自治体が発行する勇気があるかも問われます。
為替変動のない1円=1地域仮想通貨には、未来がない気がします。
なぜかというと、いくらその地域通貨がカード一枚やスマホ決済が可能であっても、仮に1円=1地域仮想通貨の価値であるならば利用者にとってはどこの店で使えるか分からない地域仮想通貨よりクレジットカード1枚持ってたほうが余計な神経使わなくていいわけですからね。
お店の人にとっても、その地域仮想通貨の価値が1地域仮想通貨=1円だったら、現金払いかクレジットカードで十分な訳です。
さらに、為替変動ある地域仮想通貨でも、値上がりしていることが絶対条件になります。
だって、そうですよね。
お店の人にとっても10000円でお客様に決済してもらったのに、次の日に8000円に値下がりしているリスクも生じるわけですから怖すぎです。
ビットコインだって値上がりしているから人気なのであって、値下がりしてたら誰も買いません。
まとめますと、地域独自の仮想通貨が成功する条件は、以下の2つでしょう。
1.その地域だけでなく日本中、世界中の人に保有され決済される通貨になること
2.他地域の仮想通貨より値上がり率が最も高くなること
少し大げさかもしれませんが、米ドル覇権に挑戦する覚悟は必須じゃないでしょうか。