熊本県は4月13日、同県多良木町(たらぎまち)の養鶏場で大量の鶏が死んだことを受けて、遺伝子検査を行ったところ、2羽の鶏から「H5亜型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。県は2つの農場で飼育している全11万2千羽の殺処分を決定した。国内の養鶏場での鳥インフルエンザの発生は2011年3月に千葉市で確認されて以来だという。朝日新聞デジタルなどが報じた。
県は同じ経営者男性が経営する同県相良(さがら)村の農場も対象に含め、飼育する全11万2千羽の殺処分を決定。2農場への立ち入り制限を指示し、それぞれ半径約3キロ以内(5戸約4万3千羽)を鶏や卵の移動制限区域に、3~10キロ(42戸、約40万羽)を搬出制限区域に設定、周辺の6市町の11カ所に消毒地点を設けた。
(朝日新聞デジタル「熊本県内で鳥インフル検出 11万羽殺処分へ」より 2014/04/13 12:13)
これを受けて政府は、総理大臣官邸で緊急の関係閣僚会議を開き、菅官房長官、新藤総務大臣、林農林水産大臣、太田国土交通大臣、古屋国家公安委員長らが出席した。菅義偉官房長官は政府一丸となって感染拡大防止に万全の対応をとるよう求めた。
菅官房長官は、安倍総理大臣から、現場の情報をしっかり収集し、農林水産省はじめ関係各省が緊密に連携して、徹底した防疫措置を迅速に進めること、そして、国民に対して、正確で迅速な情報提供を行うよう指示があったことを報告しました。
そのうえで、菅官房長官は「政府一丸となって感染拡大防止のために、万全の対応を取っていく」と述べ、関係閣僚に対し、感染の拡大防止に万全の対応をとるよう求めました。
(NHKニュース「政府 鳥インフル感染拡大防止に万全対応を」より 2014/04/13 12:20)
また、環境省は14日以降、現地に専門家による調査チームを派遣することを決めた。
農水省によると、鶏肉や卵を食べて人が感染した事例は国内では報告されていないという。
鳥インフルエンザに感染した鳥やその排泄物、死体、臓器などに濃厚に接触することによってまれに人に感染することがあるが、日本では発症した人はいない。