青春時代、汗や涙を部活動に注ぎ込んでいた人も多いはず。遠い昔の日のあの快感......、大人になった今からでも、手に入れるのに遅いということはありません。それぞれに忙しくなった大人同士だからこそ、"からだにいいこと"を理由に定期的に集まれば、きっとその楽しさも(ツラさも!?)ひとしお。"からだにいい部活"に打ち込む大人の活動内容をレポートします。
メッセンジャーとしてヨーロッパ選手権レースに参加していた富田寛さんがバイクポロと出会ったのは2009年。マレットと呼ばれるスティックを持った外国人選手が片手で自転車を操縦しながら、自在にボールを操る姿をみて「かっこいい!」と一目惚れ。すでにバイクポロの存在を知っていた、頼れる兄貴・谷内力(たにうち・りき)さんに相談し、帰国後「Tokyo Hardcourt Bike Polo」を発足。知人・友人に次々と声をかけ、メンバーを集めていった。とはいえ、日本ではなじみのないバイクポロ、道具を取り扱っている店は皆無で、肝心のマレットがない! と、頭を抱えていたが、バー部分はリサイクル業者で中古のスキーのストックを代用し、ヘッド部分はなかなか市場に出回っていないサイズの水道管をやっとの思いで探しあて、ひとつずつ手探りで道具を揃えていくところからスタート。ルールもネットで検索しながら練習を重ねていったとか。
「バイクポロはまだまだマイナー競技。どうやったら上達するか、教科書がないから、自分たちで手探りしながら開拓していく面白さがある。サッカーやラグビーなど他スポーツ経験者もいて、自分のバックボーンにあるスタイルをバイクポロという競技の中にうまく消化しながらプレイしていると、個人のキャラクターがおもしろいようによく出ますよ。普段接している業界の人とは違う人も多いから、バイクポロを通してできたコミュニティも新鮮でおもしろいんです。」と語るのは、現在、会長として部を支える力さん。
実際、メッセンジャーだけに限らず、広告業界で働く人や、舞台監督を生業としている人など老若男女幅広いメンバーが揃っている。みんなが「自転車」という同じツールにまたがることで、体力や体躯の差を飛び越え楽しめる点がバイクポロの魅力。「男子のディフェンスをかきわけて、ゴールを決めた瞬間は最高に気持ちがいいですよ!」と微笑むのは女子メンバーのマイさん。
ちなみにこのバイクポロ、自転車に乗るのがめちゃくちゃうまくなるというオマケ付き。普段の生活でコケることが滅多になくなるとか。車種不問でウェアやヘルメットも指定がないので、自転車乗りの人であれば気軽に始めやすい。普段の生活の延長線上でできるから無理なく楽しめそうだ。
●Tokyo Hardcourt Bike Polo
●部長/富田寛(トミー)
●設立/2009年
●部員/20人
●活動頻度/週1~4日
●主な活動場所/
鵠沼海浜公園スケートパーク・駒沢オリンピック公園
●部からのメッセージ/
バイクポロ一緒にやってみませんか!
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(「からだにいい100のこと。」より転載)