フランスの高級腕時計メーカーであるベル&ロスは、多くの腕時計ブランドのようにスポーツカーにインスピレーションを受けて腕時計を製作するのではなく、逆にまずスーパーカーのコンセプト・モデル「AeroGT」を製作してから腕時計をデザインするという手法を採って我々を驚かせた。
ベル&ロスは、3月17~24日にスイスで開催された世界最大の時計と宝飾の国際見本市、バーゼルワールドで、このAeroGTと腕時計を発表した。このスーパーカーは、その名前からも想像できるようにGTカー、特にフェラーリの「250GTO」から着想を得たという。
さらに、そのシャープなボディ・ラインや巨大なデュアル・エキゾースト・パイプは、戦闘機やステルス機などの航空技術から影響を受けているそうだ。米国の自動車誌『Motor Trend』によれば、約1,100mmという極端に低い車高とエアロダイナミクスを追求したボディには、最高出力602hpを発生する4.2リッターV8ツインターボ・エンジンの搭載を想定しているとのこと。
ベル&ロスのクリエィティブ・ディレクターであるブルーノ・ベラミッシュ氏は、「新しいモデルを生み出すためには、毎年、新たなソースからのインスピレーションが必要です。自動車業界のプロフェッショナルたちと並んでも引けを取らないようなクルマを製作することが今回の目的でしたが、何より、このチャレンジは難しくも大変楽しいものでした」と公式サイトにコメントを掲載している。
今回の見本市には、このコンセプトカーにインスパイアされた「BR 03 AeroGT」シリーズの時計も、併せて出展されている。この腕時計は文字盤が透明なデザインで、時計が時間を刻むメカニズムを見たいという機械好きにはぴったりだ。ベルトはブラックのパーフォレーテッドレザーに、明るいレッドの差し色が効いている。
ベル&ロスが時計のデザインのために車両のコンセプト・モデルを製作するのは、実はこれが初めてではない。米国の自動車雑誌『Road & Track』によると、2014年にもハーレーダビッドソンをベースとした「B-Rocket コンセプト」を製作しており、ビンテージ風の要素とモダンで洒落た雰囲気を組み合わせたデザインに仕上げていたという。
By Erin Marquis
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
(2016年3月28日 Autoblog日本版「【ビデオ】腕時計メーカーのベル&ロス社、時計をデザインするためにスーパーカーを製作」より転載)
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