Instagram上で、"おしり"の写真を投稿するハッシュタグ「#belfie」が海外ユーザーの間で盛り上がっている。セレブたちの投稿をきっかけにブームになったハッシュタグだが、投稿者の中には旅行先などでおしりを露わにする者も現れ、「無礼な行為に当たる」として議論を生んでいる。
「#belfie」というハッシュタグは2014年ごろに誕生した。2017年5月11日時点で、Instagram上には約26万件ものおしり写真が投稿されている。ブームの火付け役となったのは、ラップ歌手カニエ・ウェストの妻でタレントのキム・カーダシアンや、歌手のジェニファー・ロペスといったセレブたち。SNSを使っている若者がセレブたちを真似て、ヒップラインに焦点を当てた後ろ姿の自撮り写真をアップし始めたのだ。
(※)現在Instagram上では、コミュニティガイドラインに違反しているとの報告が相次いだため、「#belfie」というハッシュタグがついた投稿は一部しか見られない仕様になっている。
キム・カーダシアンが2013年10月に投稿したおしり写真。112万件もの「いいね!」が付いている。
#loveyourselffirst#feelingempowered👑 #healthybodyhealthymindpic.twitter.com/YWFznoo0KD
— Jennifer Lopez (@JLo) 2016年11月3日
ジェニファー・ロペスがTwitterに投稿した「#belfie」写真。
「おしりを大胆に魅せよう」というコンセプトは、コンプレックスも含めてありのままの自分の体を好きになろうというボディ・ポジティブの考え方にもマッチしたのか、Instagram上には実に様々なおしり写真が投稿された。2015年には、セルフィー写真を撮るための「自撮り棒」ならぬ「自尻棒(Belfie Stick)」も発売された。
見事にシェイプアップされたおしり、脂肪がのったおしり、ちょっとタルんだおしり...。女性に限らず、おしり写真をアップする男性もいた。
■旅行先や屋外でも「#belfie」が議論を呼ぶ
ハッシュタグ「#belfie」が若者たちの間で盛り上がりを見せる中、SNSに投稿される一部の「おしり写真」を疑問視する声も挙がっている。旅行先や屋外でおしりを露わにした写真を撮影する猛者たちが現れたためだ。
「cheekyexploits」というInstagramのアカウントには絶景スポットなど屋外で撮影された「#belfie」写真が多数アップされており、プロフィールには「おしりで世界を幸せにする」と書かれている。周囲に人がいない場所で撮影された写真が多いが、中には観光客らしき人が写り込んでいる写真もある。
インディペンデント紙は5月3日、女性モデルのジャイリーン・クックが投稿した「#belfie」写真に対して、伝統や文化を軽んじた無礼な行為だと批判が上がっていることを取り上げた。
クックが投稿した写真は、ニュージーランドの先住民マオリ族の聖地でもあるタラナキ山で撮影されたもので、グローブと靴以外何も身につけていない女性の後ろ姿が写っていた。
自身もマオリ族にルーツを持つ学者のDennis Ngawhareは、Stuff.co.nzの取材に対して、「この写真の何が悪い?誰が気にするのか?というコメントも一部では挙がっていますが、私のいとこや親戚はこの写真に憤りを感じています」と語った。
「誰かが山に登ることは受け入れられますが、私たちは、せめて敬意を表してほしいと考えています」
【UPDATE 】(2017/05/11 23:00)
ジャイリーン・クックの投稿は5月11日未明にinstagram上から削除された。
■関連画像集「セレブたちの#belfie写真」
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